いとう りな
2000年生まれ、映画監督「私は、私と、私が、私を、」(2024年)監督・製作
受賞作は東京造形大の卒業制作。アニメーション部門に集まった長短41作には、大ヒットした商業映画も著名なアニメ作家の作品もあったが、「将来性と斬新さ」で賞を射止めた。学生のコンテストなどでの受賞はあったものの、伝統ある大藤信郎賞には「全く思ってなくて『ウソ!』とびっくりした」と喜んだ。 元々は漫画家志望で、高校時代から描き続けている。進路に悩んでいた時に「指定校推薦で美大に行けるなら」と進学先を選んだ。「絶対アニメ作るぞ、という意識はなかったし、入学後も課題そっちのけで漫画を描いていました」と告白。「大学の授業でアニメの面白さを知って、卒業制作も作らなきゃ、と取り組んだ。完成させてから、アニメ...
勝田友巳
2025.2.06
「大藤信郎賞」に「私は、私と、私が、私を」 第79回毎日映画コンクール各賞が決まった。アニメーション部門は今回から「大藤信郎賞」に一本化した。 毎日映コンは1962年、先鋭的、実験的なアニメーション作品を顕彰するため、日本の実験アニメの先駆者だった大藤信郎の名前を冠した賞を創設。アートアニメに光を当ててきた。その後、スタジオジブリ作品などが人気を得てアニメ映画の水準が向上したことから、89年に「アニメーション映画賞」を新設した。しかし近年、アニメ映画の社会的認知や作品の完成度が高まって実写映画と同等に扱われるようになり、原点に戻る形で大藤信郎賞だけを残した。 【選考経過】応募と選考...
ひとシネマ編集部
2025.2.04
第79回毎日映画コンクールの受賞作・受賞者が決まった。ドキュメンタリー部門、アニメーション部門とも、公募と推薦で集まった作品を候補とし、選考委員が討議で決定した。 「映画 ◯月◯日、区長になる女。」©︎ 映画 ◯月◯日、区長になる女。製作委員会 ドキュメンタリー映画賞「映画 〇月〇日、区長になる女。」(ペヤンヌマキ監督) 応募と推薦によって、以下の40作が集まった。 生きて、生きて、生きろ。/鹿嶋神社と大久保-歴史と祭りと村の人々-/うんこと死体の復権/WILL/あなたのおみとり/骨を掘る男/戦雲/正義の行方/その鼓動に耳をあてよ/マミー/五香宮の猫/どうすればよかったか?/吾...
2025.1.16
伊藤里菜による東京造形大学卒業制作作品として製作された短編アニメーション。伊藤監督自身が鼻の整形を経験した当時に書いていた日記を元に、伊藤監督自らによるナレーションと、そのナレーションがないバージョンを見た第3者が考えたナレーションとの複数のナレーションを作品中に流し、自分が思う自己と他者が思う自己の差異を表現する。第35回東京学生映画祭審査員特別賞(アニメーション)を受賞。 ある日突然自分の姿が奇妙なものに変わってしまった私。私は何度も皮を剥がし、元の姿に戻ろうと試みる。