「フェラーリ」 スリルと興奮を体感させる映像の迫力
1957年、フェラーリの創業者エンツォ(アダム・ドライバー)は苦境に立たされている。妻ラウラ(ペネロペ・クルス)との仲は険悪、愛人リナ(シャイリーン・ウッドリー)からは12歳になる息子の認知を迫られている。一方会社は経営難で、人気を取り戻すにはイタリアを縦走する公道レース、ミッレミリアで絶対に負けられない。若手ドライバーを叱咤(しった)する中、レースは刻々と迫る。 マイケル・マン監督が30年越しの構想を映画化。製作総指揮に回った「フォードVSフェラーリ」にもチラリと登場したエンツォの肖像を、数カ月に絞って描き出す。私生活も会社も追い詰められて、なおスピード追求をやめぬ男の業に焦点を当てるのは...