特選掘り出し!:「インスペクション ここで生きる」 行く先にある悲劇と皮肉
LGBTQなど性的少数者を題材とした映画が目立ち、疎外された人たちの苦悩と苦闘はさまざまに描かれている。エレガンス・ブラットン監督が自身の体験を映画化したという本作も、ゲイの青年が居場所を求める物語。だが、彼が行き着くのは軍隊である。 2005年、フレンチ(ジェレミー・ポープ)は米海兵隊に志願する。ゲイの息子を受け入れない母親とは絶縁状態で、16歳から路上生活を送っていた。どん底から抜け出す唯一の道なのだ。訓練キャンプではゲイであることを隠していたものの、やがて露見。手ひどいいじめに遭う。 スタンリー・キューブリック監督の「フルメタル・ジャケット」のごとき新兵への理不尽なしごきやいじめが描...