時代の目:「ブルーピリオド」 努力と汗の〝スポ根〟乗りで
仲間と夜ごと遊び回りながらも成績優秀な八虎(眞栄田郷敦)は、周囲に合わせてそつなく生きるだけの日常を持て余している。美術の時間に、徹夜で遊んだ朝の渋谷の青い風景の絵を描いて初めての手応えを感じ、東京芸大への進学を決意する。 人気漫画の実写映画化。受験の620日前から日付を刻み始め、八虎がゼロから油絵の技術と、対象を捉える感覚を磨いていくさまを刻々と追っていく。美術部の先輩と出会い、美大予備校でライバルと切磋琢磨(せっさたくま)し、絵画の奥深さと魅力にのめり込んで課題を乗り越えていく。その熱意をテンポ良く見せるし、八虎の絵の良さも分かりやすく示して画面は弾む。 しかし、2時間で約2年を詰め込...