この1本:「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」 公害に迫る不屈の信念
今年は異なるアプローチで水俣病という公害を描いた「MINAMATA ミナマタ」「水俣曼荼羅(まんだら)」の洋邦2作品が話題を呼んだが、本作は米国で起こった環境汚染問題の映画化。社会活動に熱心な人気俳優マーク・ラファロが、製作、主演を兼任した実録ドラマの力作である。 1998年、オハイオ州の法律事務所で働く弁護士ロブ・ビロット(ラファロ)が、ウェストバージニア州の農民から調査を依頼される。化学メーカー、デュポン社の工場から出た廃棄物のせいで、彼の農場が汚染されているという。廃棄物に関する開示資料を手がかりとして、ある危険な化学物質を探りあてたロブは、デュポン社による公害とその隠蔽(いんぺい)の...