Todd Haynes
1961年1月01日 生まれ
映画監督、脚本家「キャロル」(2015年)「メイ・ディセンバー ゆれる真実」(2023年)
1996年、36歳の女性教師が13歳の少年と不倫して懲役7年の実刑判決を言い渡され、服役中に彼との子供を出産。出所後に2人は結婚し、家庭を築き上げた。この全米を騒然とさせたスキャンダルに触発されたサミー・バーチのオリジナル脚本を、「キャロル」のトッド・ヘインズ監督が映画化。ナタリー・ポートマン、ジュリアン・ムーアが主演を務めた。 アンモラルな実話の再現ドラマではない。23年前の事件を映画化する企画が持ち上がり、その主演女優エリザベス(ポートマン)が、スキャンダルの当事者グレイシー(ムーア)と夫ジョー(チャールズ・メルトン)の自宅を訪ねる。当初はなごやかだった3人の交流は複雑に揺らめき出す。 ...
2024.7.12
トッド・ヘインズ監督が描く伝説の異色バンド Apple TV+は数ある動画配信サービスの中でもオリジナル作品に特化しており、〝逸品をそろえたセレクトショップ〟という印象がある。その一角を成しているのが音楽ドキュメンタリーで、すでにビリー・アイリッシュやビースティ・ボーイズのドキュメンタリー作品が配信されている。そこに「真打ち登場!」と言いたいのが、伝説のロックバンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを描いた、その名も「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」(2021年)だ。 監督はトッド・ヘインズ。1970年代のグラムロックシーンを描いた「ベルベット・ゴールドマイン」(98年)や、ボ...
村山章
2022.3.27
今年は異なるアプローチで水俣病という公害を描いた「MINAMATA ミナマタ」「水俣曼荼羅(まんだら)」の洋邦2作品が話題を呼んだが、本作は米国で起こった環境汚染問題の映画化。社会活動に熱心な人気俳優マーク・ラファロが、製作、主演を兼任した実録ドラマの力作である。 1998年、オハイオ州の法律事務所で働く弁護士ロブ・ビロット(ラファロ)が、ウェストバージニア州の農民から調査を依頼される。化学メーカー、デュポン社の工場から出た廃棄物のせいで、彼の農場が汚染されているという。廃棄物に関する開示資料を手がかりとして、ある危険な化学物質を探りあてたロブは、デュポン社による公害とその隠蔽(いんぺい)の...
2021.12.16
教師であったの36歳の女性が、家族がいる身でありながら13歳の少年と不倫し、懲役7年の実刑を受けるも少年との長女を服役中に出産したという実際の〝メイ・ディセンバー事件〟。本作は、長い時を経て、親子ほど年が離れたカップルという意味の慣用表現「メイ・ディセンバー」と呼ばれるこの事件を題材にした映画の製作が決まったとの設定で、事件を追う女優、当事者の女性、元少年の、あの時の真相と現在の本心を描き出す。 監督は、「エデンより彼方に」(02年)や「キャロル」(05年)などを手がけたトッド・ヘインズ。そのヘインズ監督が魅了された脚本は、サミーパーチの手によるもの。その完成度の高さから、第96回アカデミー...
1960年代に4年だけ活動し、ロック史に名を刻んだ伝説的なロックバンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド。その軌跡をメンバーのインタビューや資料映像からたどったドキュメンタリー。