Vanessa Filho
映画監督、脚本家「コンセント/同意」(2023年)
文学好きな13歳の少女、バネッサ(キム・イジュラン)は、50歳の作家、ガブリエル・マツネフ(ジャン・ポール・ルーブ)と出会う。彼は自身が小児性愛者であることを隠さず、センセーショナルな作品を発表して注目を集めている時代の寵児(ちょうじ)。14歳になったバネッサは、同意のうえで彼と性的な関係を持つ。 バネッサ・スプリンゴラが自身の体験をつづり、2020年にフランスで出版した告発の書「同意」を映画化。マツネフは彼女に初めは文学的な手紙を書き、じらし、やがて巧みに捕食する。誰かの特別な存在になりたいと願う未熟な少女を支配するのは、たやすいことだったはずだ。会いに行くことを止める母の声も、熱に浮かさ...
2024.8.02
2020年1月、フランス中を騒然とさせる1冊の本が出版された。「同意」と題されたその本の著者は、芸術文化勲章まで受賞した有名作家ガブリエル・マツネフと14歳で性的関係を持っていた女性バネッサ・スプリンゴラ。そこに記されていたのは、マツネフが彼女を含む多数の少女たちとの関係を作品の題材として利用した生粋の小児性愛者にも関わらず、その歪んだ行為さえ文学として消費され、礼賛すらされてきたという驚くべき実態だった。本作は、その実話を元に。「マイ・エンジェル」(18年)のバネッサ・フィロ監督によって映画化された。 文学を愛する13歳の少女ヴァネッサは、50歳の有名作家ガブリエル・マツネフと出会う。マツ...