アジアの天使
商業映画で挑戦を続ける石井裕也監督、公開中の「茜(あかね)色に焼かれる」に続く新作だ。韓国が舞台のロードムービーで、文化と言葉の壁を越える。 売れない小説家の剛(池松壮亮)は幼い息子を連れて、ソウルに兄透(オダギリジョー)を訪ねた。透が一緒に商売をやろうと誘ったのだ。ところが現地の共同経営者が財産を持ち逃げ。新規まき直しを図る透と、韓国北東部の江原道を目指す。一方、落ち目の元アイドル歌手ソル(チェ・ヒソ)は、兄と妹と共に両親の墓参のため江原道に向かっていた。2組は電車の中で出会い、一緒に旅をする。 問題だらけの2家族。妻を亡くし作家としても行き詰まった剛は、一念発起して日本を出たものの、透...