Jang Jae-hyun
映画監督「プリースト 悪魔を葬る者」(2015年)「時間回廊の殺人」(2017年)「サバハ」(2019年)
この春、韓国で大ヒット、1200万人を動員したオカルトホラー。世代を超えて血縁で受け継がれる怨念(おんねん)、土地や墓にとりつく霊魂、あるいは霊のよりしろとなる巫堂(ムーダン)や土地の吉兆を占う風水師という存在など、日本と通じるアジア的恐怖描写を、韓国映画らしい迫力と技術で大いに見せる。一方で、ハリウッド的な分かりやすさに収束してしまったところはいささか拍子抜け。日韓ホラー観の違いも垣間見えて、興味深い一作。 巫堂のファリム(キム・ゴウン)とボンギル(イ・ドヒョン)は、代々、長男が不運に見舞われるという大富豪シヨンから、除霊を依頼された。ファリムは祖先の墓に原因があると気づき、風水師サンドク...
2024.10.25
韓国で観客動員1200万人の大ヒットとなったホラー映画「破墓 パミョ」で主演したチェ・ミンシク。「シュリ」「オールド・ボーイ」など多くのヒット作に出演した韓国映画隆盛の立役者ながら「まだまだ三流」と謙虚な姿勢を崩さない。「これからやってみたいのはラブストーリー」と意外な一面も見せてくれた。 霊魂と人間の関係に興味あった 「破墓」は謎めいた墓から悪霊が解き放たれ、霊をはらう巫堂(ムーダン)や土地の吉兆を判断する風水師、墓の改葬を仕切る葬儀師らが戦うオカルトホラー。陰陽道や霊の存在など、韓国の死生観を反映した物語だ。 「元々(目に見えない)形而上学的なイメージや霊魂、魂、神と人間...
鈴木隆
2024.10.24
墓地を見る風水師、お祓いを行なう巫堂(ムーダン)、改葬を仕切る葬儀師、祈祷を捧げる巫堂。4人が掘り返した墓には恐ろしい秘密が隠されていた。 2024年、韓国で7週連続第1位を記録し、第60回百想芸術大賞で監督賞・主演女優賞・新人男優賞・芸術賞を受賞した本作。監督・脚本は、韓国で500万人を突破した「プリースト 悪魔を葬る者」(2015年)やNetflix映画「サバハ」(2019年)を手掛けたジャンル映画の鬼才チャン・ジェヒョン。出演は、風水師サンドク役に、第57回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した「オールド・ボーイ」の主人公を演じた俳優チェ・ミンシク。巫堂ファリム役を、大ヒットドラマ「ト...