この1本:「破墓/パミョ」 素性が分からぬ怖さ
この春、韓国で大ヒット、1200万人を動員したオカルトホラー。世代を超えて血縁で受け継がれる怨念(おんねん)、土地や墓にとりつく霊魂、あるいは霊のよりしろとなる巫堂(ムーダン)や土地の吉兆を占う風水師という存在など、日本と通じるアジア的恐怖描写を、韓国映画らしい迫力と技術で大いに見せる。一方で、ハリウッド的な分かりやすさに収束してしまったところはいささか拍子抜け。日韓ホラー観の違いも垣間見えて、興味深い一作。 巫堂のファリム(キム・ゴウン)とボンギル(イ・ドヒョン)は、代々、長男が不運に見舞われるという大富豪シヨンから、除霊を依頼された。ファリムは祖先の墓に原因があると気づき、風水師サンドク...