「人間は煩悩に苦しむんですよ。だから面白い」 藤竜也「大いなる不在」 認知症の元教授を「スッと理解した」
「大いなる不在」で藤竜也が演じているのは、認知症ですべてを忘れ変貌していく元大学教授だ。といっても、そこに現れるのは人間性を失う認知症の悲劇より、忘却してもなお残る人間の本性だ。「人間はね、みんな煩悩に苦しむんですよ」。さらりと言うのである。 脚本を読んで「スッと理解した」と振り返る。「年齢的に陽二と近いし、身につまされるっていいますか、非常に分かりやすくつかまえられた」。演じる人物の履歴書を作るなど入念な準備をすることもあるが、今回は「特に何もしなかったです。プロファイリングも、役をつかむためにやるわけだから」。「サクラサク」(2014年)でも認知症の男性を演じ、この時調べたことが今回も役...
勝田友巳
2024.7.20