チャートの裏側:ゴージャスが響く東京
「これぞ、ハリウッド」と言いたい。「ハウス・オブ・グッチ」である。人によっては、これほどワクワク感を抱かせるアメリカ映画も、最近では珍しいのではないか。ファッション界の最高級ブランド、グッチを確立した一族のお家騒動の話だ。面白くないはずがない。 レディー・ガガ、アダム・ドライバーという当代の実力者を主軸に、アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズら映画史を刻んだ俳優が脇を固める。中身が醸す蠱惑(こわく)的な魅力、俳優たちのゴージャスな布陣に、私自身もうっとりする。かつての洋画隆盛期のテイストがある。 ただ、このような言い方自体が、今や通じなくなっていることも強く感じる。日本人のグッチ信仰は、...