「モーリタニアン 黒塗りの記録」
モーリタニア人の青年モハメドゥ(タハール・ラヒム)は、米同時多発テロの首謀者としてグアンタナモ収容所に拘禁されるが、裁判が開かれていない。人権派の弁護士ホランダー(ジョディ・フォスター)は弁護を買って出て、手記を書くよう説得する。一方、米政府は死刑にするため米軍のスチュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)に起訴させようとする。 実話の映画化である。グアンタナモの陰惨な拷問や非人道的な自白の強要は後半に集約し、政府や軍と弁護士との対決を軸にスリリングさを高める社会派サスペンス。テロへの報復の主張が圧倒的だった時代に、国家犯罪を非難したアメリカの知性、理性を前面に打ち出している。それでも、...