やまだ たいち
1934年6月05日 生まれ
脚本家、小説家、原作:「異人たちとの夏」(新潮文庫刊)
ロンドンのマンションの高層階に住む脚本家のアダム(アンドリュー・スコット)は、幼少期を題材にしたシナリオのリサーチのため、かつて住んでいた実家を訪れる。そこには12歳の頃に事故で他界した父(ジェイミー・ベル)と母(クレア・フォイ)が、昔と変わらぬ姿で住んでいた。同じ頃、アダムは同じマンションに住む青年、ハリー(ポール・メスカル)と愛し合うようになる。 原作は1988年に大林宣彦監督が映画化した、山田太一の小説「異人たちとの夏」。大林版と同様、ホラー的な要素を効果的に入れながら、大きな相違点はアンドリュー・ヘイ監督が自身の経験を織り込み、主人公を同性愛者として描いたことだろう。大林監督が東京・...
2024.4.19
山田太一のベストセラー小説「異人たちとの夏」(新潮社)を、現代のロンドンに舞台を移し、「さざなみ」(2015年)や「荒野にて」(17年)のアンドリュー・ヘイ監督が再映画化した。 ロンドンのタワーマンションで一人暮らしをしている脚本家アダムは、同じマンションの謎めいた住人、ハリーの訪問によって、ありふれた日常に変化が起きる。ハリーとの関係が深まるにつれて、アダムは遠い子供の頃の世界に引き戻され、30年前に死別した両親が、そのままの姿で目の前に現れる。想像もしなかった再会だったが、固く閉ざしていた心が解きほぐされていくのを感じていた。しかし、その先には思いもしない世界が広がっていた。 東京国際...