特選掘り出し!:「異人たち」 大林作品「時空超え」読み替え
ロンドンのマンションの高層階に住む脚本家のアダム(アンドリュー・スコット)は、幼少期を題材にしたシナリオのリサーチのため、かつて住んでいた実家を訪れる。そこには12歳の頃に事故で他界した父(ジェイミー・ベル)と母(クレア・フォイ)が、昔と変わらぬ姿で住んでいた。同じ頃、アダムは同じマンションに住む青年、ハリー(ポール・メスカル)と愛し合うようになる。 原作は1988年に大林宣彦監督が映画化した、山田太一の小説「異人たちとの夏」。大林版と同様、ホラー的な要素を効果的に入れながら、大きな相違点はアンドリュー・ヘイ監督が自身の経験を織り込み、主人公を同性愛者として描いたことだろう。大林監督が東京・...