うえの じゅり
1986年5月24日 生まれ
不安は人のつながりを断つ――。「隣人X 疑惑の彼女」に主演する上野樹里は、作品に描かれる無意識の差別、無自覚の偏見といったテーマを身近に引きつけて実感する。「コロナ禍の最中に話をいただいた作品でした。当時はマスクで互いの顔が見えないまま卒業していく中高生もいて、人と触れ合ったり表情を見たり、『感じる』ということが希薄になっていた」と振り返る。そして自問した。「恐怖に縛られたままで、隣の人の心と向き合うことはできるのか」 隣人の心と向き合えるか 地球外の生命体である「惑星難民X」を受け入れると発表した日本が、物語の舞台となっている。故郷を追われたXは人間の姿に擬態して日常に紛れ込...
山田麻未
2023.12.20
「もし男性が妊娠したら?」をテーマに、男女逆転生活やギャップをコミカルに描きながら、「妊娠」をきっかけに、今まで見えなかった社会に潜むさまざまな問題に直面した主人公が、奮闘しながらも徐々に周囲の人とそして自分自身を変えていく姿を描いた成長の物語。原作は坂井恵理による同名コミックス。
原作は、パリュスあや子の第14回小説現代長編新人賞を受賞した「隣人X」。熊澤尚人監督が新たな視点を盛り込み映画化した。人との関わりを避けてひっそりと生きる柏木良子を演じるのは上野樹里。そんな良子に惹かれていく記者・笹憲太郎を林遣都が演じる。また、台湾の実力派・黃姵嘉(ファン・ペイチャ)や、野村周平、川瀬陽太、嶋田久作、原日出子、バカリズム、酒向芳らが顔を揃える。 故郷を追われた惑星難民Xは、人間の姿をそっくりコピーして日常に紛れ込んでいる。Xが誰なのか、どこで暮らしているのか、誰も知らない。人々は不安や恐怖を抱き、隣にいるかもしれないXを見つけ出そうと躍起になる 。週刊誌記者の笹憲太郎は、ス...