さいとう たくみ
1981年8月21日 生まれ
俳優、映画監督※映画監督としてのクレジットは、本名の齊藤工。
「斎藤工(齊藤工)」記事件数
長野県の寒冷地。スポーツインストラクターの賢二(窪田正孝)は、妻ひとみ(蓮佛美沙子)と幼い娘のために一軒家を購入。地下の巨大暖房設備で家全体を温める「まほうの家」は理想的な物件だった。しかし、マイホームでの生活が始まると、脅迫メールや変死事件など不可解な出来事が次々と起こる。 神津凛子の同名小説の映画化。新築の家に不安が広がっていく前半は、ホラーとミステリーが程よい具合。俳優の斎藤工が「齊藤工」名義で監督しているが、長編デビュー作「 blank13 」以来、一作ごとに人間ドラマの奥行きを広げている。本作でも明るい色調の中に不穏さを忍ばせる演出は見事。注目すべきは俳優陣で、「春に散る」でストイ...
2023.9.01
映画を撮るのが楽しくてしょうがない。公開中の新作「零落」は「原作を本屋で読んで絶対映画にしようと思った」とほれ込んで、自ら原作者の浅野いにおに映画化を打診し、主演の斎藤工とも直接出演交渉。撮影現場も無駄なく楽しくと、スタッフの負担軽減を図る優良監督だ。 「東京・赤坂のTBSの前にあった書店に並んでいて、『零落』というタイトルと帯に描かれた目にくぎ付けになった」。原作漫画の帯には登場人物の1人、〝猫の目〟をした女性、ちふゆの目元が描かれている。「絶対映画にしようって」 「作るのに必死だった」 しかし、まとまりかかった出資話が白紙に戻るなど、道は平坦(へいたん)ではなかった...
勝田友巳
2023.4.04
浅野いにおの漫画「零落」を映画化した。孤独と憂鬱、いらだちの中でもがく漫画家の姿を赤裸々に描いた。映画はしだいに一漫画家の内面を超え、作品を生み出す表現者、仕事や生き方に苦悩する現代人の葛藤へといざなう。 長期連載を終えた漫画家深澤(斎藤工)は、「売れる」という価値観がはびこる現実に嫌気がさす。アシスタントと折り合いが悪く、編集者の妻(MEGUMI)との離婚にも直面する。仕事から逃避する中で、風俗嬢のちふゆ(趣里)との時間にすがり始める。 深澤が抱えるむなしさ、空虚感は愚かでぶざまにも見える。自己愛が強く、妻ら周りの女性には自身を分かってほしいだけ。ちふゆにのめり込むのは、深澤を傷つけない...
2023.3.17
「希望とは、目覚めている人間が見る夢である。」 有名な哲学者アリストテレスが残した名言の一つである。では、希望を持つことができないとはどういうことなのか……。 周りから完全に遮断された閉鎖的な世界で、変わることを禁じられた人々が「生きよう」とする世界。映画「アリスとテレスのまぼろし工場」について語っていく。 変化することを禁止 14歳の菊入正宗はいつものように仲間たちと普通の毎日を過ごしていた。ある日、町の製鉄所爆発事故により町が一変。空に謎のひび割れができ、時が止まってしまった。再び町が元に戻った時に支障をきたさないよう、変化することを町民一同禁止し、正宗たち学生は〈自分確認票〉...
堀陽菜
PRワーナーブラザース映画、MAPPA
2023.9.13
「シン・ウルトラマン」(樋口真嗣監督)のなかでもっとも印象に残ったのは、神永新二(斎藤工)とメフィラス(山本耕史)がブランコに乗りながら対話をするシーンである【図1】。 【図1】 ジャングルジムでもすべり台でもない 子ども向けの遊具と、2人の「外星人」(劇中では宇宙人のことをこう呼ぶ)が地球の命運について話し合うという状況のギャップが魅力的なシーンであり、このあとの居酒屋のシーンと合わせて少なからぬ観客の興味を集めているようだ。 筆者は、ここで選ばれた遊具がほかならぬブランコであることに注目したい。公園の遊具といえば、ジャングルジムやすべり台やシーソーなどもメジャーだが、こ...
伊藤弘了
2022.6.08
漫画家大橋裕之の作品を連作短編集のようにまとめて実写映画化。竹中直人、山田孝之、斉藤工のクリエーティブな俳優3人が共同監督した。 ママチャリで「あてがないというアテを頼りに」南に向かう男(松田龍平)が人のいい漁師たちの世話になる話。存在しない自分の姉に関心を持ったクラスメートにうそをつき続けて親しくなる高校生、父(竹原ピストル)が通っていた高校に一緒に忍び込んだ少年が体験した不思議な思い出など、うそと秘密をベースにした小編が時に重なり合って描かれる。 とぼけた笑いとペーソス、切なさと懐かしさが波状攻撃のように押し寄せて、心地よい感覚が絶えない113分。どれももう少し後が見たいというところで...
2021.4.01
原作は、第13回小説現代長編新人賞を受賞した神津凛子のデビュー作である同名小説。「家」を中心に様々な思惑と怪異が折り重なるミステリーを映像化したのは、俳優であり、初長編映画監督作「blank13」(2018年)が国内外の映画祭で8冠を獲得した齊藤工監督。俳優としての齊藤の主演作「零落」(2023年)を手掛けた脚本家、倉持裕がジャンル映画の枠に捕らわれない恐怖と戦慄のシナリオを担当した。新居購入をきっかけに怪異へと巻き込まれていく主人公、清沢賢二を連続ドラマ「臨床犯罪学者火村英生の推理」で俳優として齊藤監督とタッグを組んだ窪田正孝が演じる。 愛する妻と娘と長野のアパートで暮らす清沢賢二は、一軒...
謎の組織SHOCKERから脱走した緑川ルリ子と本郷猛。組織は人体を改造し殺傷能力を強化する「昆虫合成型オーグメンテーションプロジェクト」を進めており、本郷はその最高傑作だった。ヘルメットをかぶることによって超人的な力を発揮する。計画を阻止しようとする政府の後ろ盾を得た本郷と緑川は、組織が次々と放つ刺客と対決する。 監督、脚本は、「エヴァンゲリオン」4部作の企画・原作や、「シン・ゴジラ」(2016年)の総監督、脚本を務めた庵野秀明。石ノ森章太郎の〝原点〟をリスペクトしつつ、新たなオリジナル作品として製作。本郷猛(仮面ライダー)を演じるのは池松壮亮、緑川ルリ子を浜辺美波、⼀⽂字隼⼈(仮面ライダー...
原作は、2017年に浅野いにおが小学館「ビッグコミックスペリオール」に連載した同名漫画。等身大の若者の葛藤を描いてきた作者が、ミドルエイジ男性の孤独な空虚感と、漫画を描きつづけることは誰かを傷つける所業なのかという漫画家の〝業〟に挑んだ作品。原作に竹中直人がほれ込み映画化を熱望、14年ぶりの単独監督作として実現させた。 元人気漫画家・深澤薫(斎藤工)は、8年間の連載が終了し、自堕落で空虚な日々を送っていた。読者からの酷評や売れ線を狙う担当編集者との食い違いで、予定していた新連載は延期になってしまう。単発仕事にもやる気が出ず、アシスタントからはパワハラを指摘され、多忙を極める敏腕漫画編集者の妻...
東映が創立70周年を記念し、総製作費20億円を投じたビッグプロジェクトで稀代の英雄、織田信長を描く。織田信長は木村拓哉、信長の正室・濃姫役には綾瀬はるかと、当代きっての人気俳優が演じる。脚本は「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ、「コンフィデンスマンJP」シリーズの古沢良太、監督は、NHK大河ドラマ「龍馬伝」や「るろうに剣心」シリーズの大友啓史と、大ヒットメーカー同士がタッグを組んだ。 本作は、織田信長と濃姫との出会いから本能寺の変までの33年間を、歴史的な出来事を追うだけではなく、群雄割拠の戦国時代に生きる信長の揺れる心情を繊細に描き出した。濃姫を迎え入れた那古野城から岐阜城、豪華絢爛な...
高視聴率を記録したTVドラマを映画化。竹野内豊が演じる自由奔放で型破りな裁判官・入間みちおと、黒木華が演じる上昇志向が強くロジカルなエリート裁判官・坂間千鶴の〝ちぐはぐコンビ〟が迷い、葛藤しながらも真実を追求していく。 公開:2023年1月13日 配給:東宝 ©浅見理都/講談社 ©2023 フジテレビジョン 東宝 研音 講談社 FNS27社
高校1年生の美枝子(藤野涼子)は、同級生の槙雄(青木柚)とある出来事をきっかけに仲良くなり、同じ居酒屋でアルバイトを始める。槙雄は永慈(中川大輔)と付き合い始めるが、周囲が2人の仲を引き裂こうとする。美枝子は2人のためにあることを決意し、3人の特別な関係は徐々に変化していく。そんな時、槙雄は幼なじみの朝人(兼近大樹)と偶然再会し‥‥‥。
巨大不明生物「禍威獣」が次々と日本に現れた。政府は禍威獣特設対策室を設立し、各部門の専門家を集め対策を講じていた。ある時現れた銀色の巨人が、禍威獣を撃退する。巨人はウルトラマンと名付けられた。さらに別の宇宙人が禍特対の前に現れ、ウルトラマンは敵だと進言する。
西村寿行原作、佐藤純弥監督、高倉健主演「君よ憤怒の河を渉れ」のリメーク。無実の罪を着せられた弁護士と、それを負う刑事の逃走劇。チャン・ハンユー、福山雅治が共演。
尾谷組と広島仁正界の抗争が沈静化して3年。呉原東署の刑事日岡は裏社会とも通じながら広島の治安を保っていた。しかし広島仁正会傘下、五十子会の上林が刑務所から出所し、五十子会会長を殺害した尾谷組への報復を開始。激しい抗争が再燃する。2018年の「孤狼の血」の続編。