この1本:「セイント・フランシス」 揺らぐ体、孤独と連帯
女性の体の揺らぎとそれに伴う心の動きを、これほどまでにリアルに描いた映画は珍しいのではないか。主人公のブリジットを演じているケリー・オサリバンは、自らの経験を基にして脚本を執筆したのだという。 大学を1年で中退して、今はレストランのウエートレスとして働いている34歳のブリジット。SNSから垣間見える友人たちの暮らしは輝いているようで、置いてけぼりにされた気持ちを持て余している。ある日、第2子の出産を控えたマヤ(チャリン・アルバレス)と仕事を休めないアニー(リリー・モジェク)のレズビアンカップルに依頼され、夏の期間限定で6歳のフランシス(ラモーナ・エディス・ウィリアムズ)の子守をすることに。そ...