ライフル魔と怪奇映画スター、恐るべき接近遭遇 「殺人者はライフルを持っている!」:謎とスリルのアンソロジー
2022年1月6日に82歳で逝去したピーター・ボグダノビッチは、アメリカン・ニューシネマの時代に名をはせた監督である。代表作は「ラスト・ショー」(1971年)と「ペーパー・ムーン」(73年)。そのほか数多くの青春、コメディー、ロマンス、ヒューマンドラマを世に送り出したボグダノビッチのフィルモグラフィーには、筆者を含む一部のマニアから根強い支持を得ているスリラー映画がある。デビュー作の「殺人者はライフルを持っている!」(68年)だ。 キーワード「現代の狂気」 監督志望の若手がデビューのチャンスをつかむきっかけは千差万別だが、ボグダノビッチの場合はかなり風変わりだった。映画評論を...
高橋諭治
2022.8.23