アナザーラウンド ほろ酔いの理論と実践
「1、2杯引っかけた方が調子がいい」。酒飲みならきっと覚えがあるのでは。それもそのはず、そのあたりが血中アルコール濃度0・05%で、生まれつき不足していた分を補っているのだ。という説を披歴した学者がいるそうで、デンマークのトマス・ヴィンターベア監督(おそらく飲んべえ)がそれを検証した、陰りを帯びた喜劇である。 歴史教師のマーティン(マッツ・ミケルセン)は、このところ気力が減退、生徒と親から大学受験に受からないと授業にダメ出しされ、家では妻のアニカともすれ違い。何をやってもうまくいかない。ある時、教員仲間から聞いた0・05%理論を実践してみると、思わぬ好結果。論文のための実証と称して、友人3人...