普通の人が鬼にもなる怖さ「ペルシャン・レッスン 戦場の教室」:英月の極楽シネマ
私が米国に住んでいた時のことです。英語を母国語としない者同士で、たとえ片言でも相手の国の言葉を知っていると関係が急に近しくなることがよくありました。 この映画に登場する、ナチス親衛隊のコッホ大尉(ラース・アイディンガー)と、強制収容所に連行されたユダヤ人ジル(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート)もそうでした。時は第二次世界大戦中。戦後は兄がいるテヘランで料理店を出そうと、ペルシャ語を学びたい元料理人の大尉。そして、銃殺を免れるため、とっさにペルシャ人だとうそをついたジル。立場を超えて出会った2人は、ペルシャ語を教え、学ぶことを通して、関係を深めていきます。 しかしジルが教えていたのは、でたら...
英月
2022.10.31