「骨を掘る男」 先人たちを〝訪らう〟:英月の極楽シネマ
沖縄戦の戦没者の遺骨を40年以上にわたり収集し続けてきた具志堅隆松さんを、自身も沖縄戦で大叔母を亡くした奥間勝也監督が追ったドキュメンタリー映画です。地中から出てくる骨や歯、かんざしなどの遺品から、まるで声を聞くようにして、亡き人の年齢、性別、最期の様子を推察して言葉にしていく具志堅さん。彼に同行する監督は、会ったことのない大叔母に対して、悲しいという感情がわきません。その中で「出会ったことのない人の死を悼むことはできるのか?」との問いが生まれてきます。 さて、法事をお勤めする際に浄土真宗では、法要の趣旨を仏さまと参拝者に告げる「表白(ひょうびゃく)」というものを僧侶が読み上げます。そこには...
英月
2024.7.07