Carla Simón
1986年12月21日 生まれ
映画監督「悲しみに、こんにちは」(2017年)監督・脚本「太陽と桃の歌」(2022年)監督・脚本
スペインの片隅の家族農園に起きるささやかな悲劇を、美しい自然の風景の中に描く。失われゆくものへの哀悼を込めた好編だが、遠景には巨大な資本が家族経営の農家を圧殺しのみ込んでゆくことへの静かな怒りがある。カルラ・シモン監督の長編2作目、ベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞を受賞した。 キメット(ジョルディ・プジョル・ドルセ)を中心としたソレ家は、スペイン・カタルーニャ地方で桃農園を営んでいる。キメットの父ロヘリオ(ジュゼップ・アバッド)は、地主のピニョールから突然、太陽光発電のパネルを設置するので土地を明け渡すよう求められた。土地はロヘリオが先代の地主から借りたが、契約書はないという。困惑するキメ...
2024.12.20
デビュー作「悲しみに、こんにちは」(2017年)でベルリン国際映画祭最優秀新人作品賞とジェネレーション部門グランプリを受賞したカルラ・シモンによる長編第2作。カタルーニャを舞台に、伝統的な家族経営の桃農園がソーラーパネルに取って代わられるという、時代の変化に晒される家族の姿を描き、ベルリン国際映画祭金熊賞に輝いた。 スペイン・カタルーニャで三世代家族で桃農園を営むソレ家は、地主から夏の終わりに土地を明け渡すよう迫られる。桃の木を伐採して、代わりにソーラーパネルを敷き詰めるのだとという。父親は激怒するが、妻と妹夫婦はパネルの管理をすれば「楽に稼げる」という囁きに心を動かされる。桃園の危機に、賭...