11日、東京・テアトル新宿にて舞台挨拶をするのん、沖田修一監督

11日、東京・テアトル新宿にて舞台挨拶をするのん、沖田修一監督

2022.9.11

「さかなのこ」のん、マンツーマンで教えてもらいました。沖田監督はよっぱらいの師匠です。

公開映画情報を中心に、映画評、トピックスやキャンペーン、試写会情報などを紹介します。

宮脇祐介

宮脇祐介

全国で大ヒット上映中「さかなのこ」(毎日新聞社など製作委員会)の舞台あいさつが11日、東京・テアトル新宿で行われた。
映画は好きな魚をひたすらに追い続け夢がかなったさかなクンの半生をつづった「さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~」が原作。
公開から11日、主演ののんと沖田修一監督が登壇した。
今回は事前に公式Twitterを通じて、ファンからの質問を募集。
集まった質問を紙に書き写し箱に入れ、のんと沖田監督が交互に引いて答える形式で行われた。
 
――この映画がのんさんにどんな影響や刺激を与えましたか?
のん:ミー坊は夢に対して真っすぐ突き進む、何にも影響されない好きを持っている、そして好きを続ける。自分も猪突猛進なのでミー坊のように好きを続けて良いのだと、背中を押してくれました。

 
――ミー坊のアパートの1階の散髪屋の前にいるおじさんは何者ですか? またモモコの離婚にいたる裏設定はありますか?
沖田:ミー坊が上京してからのアパートをロケハンしていたら、良い場所があって。そこに散髪屋があってそれを無視することができなかった。ミー坊の愛の巣の前に髪結いの亭主がいる。愛の象徴がいるとミー坊の家もそういう風に見えるのではないかと思った。「キツツキと雨」の脚本を一緒に書いた守屋文雄さんに「うん」以外言わない約束で配役しました。
モモコの裏設定は男の高梨が悪い男で、ひどいことばかりをさせられる裏設定でした。
 
――幼い頃からミー坊とヒヨが腕をくるくる回すのはなぜですか?
沖田:それをやると速く走れるという言い伝え。
子役がやっていたのを高校生になった時も2人でやろうという演出でした。しかし、ラストシーンは編集で気づいたのですが、のんさんがやってくれました。
のん:走るときはコレと決めていました。
 
――サンマを頭から食べるシーンはヒー!となりました。実際はどこまで食べられますか?
のん:さかなクンが背骨は後ろに延びているから頭から食べると刺さらないと言っていました。
沖田:試してみたら大丈夫だったんですが、魚によってはあぶないと思いました。
のん:実際のシーンはずるして背骨を抜いてもらいました、でも頭は食べた。おいしかった。井川さんとカットがかかっても食べてました。
 
――お母さんが「広い海に出て行ってみなさい」と言うシーンで、ミー坊の口元にご飯つぶが付いているのをお母さん役の井川遙さんが指摘するのはアドリブですか?
沖田:ご飯つぶが付いていて取ったのは井川さんのアドリブ。大人になれと言いながら、まだ子供だよというシーンがすごく良いなと思いました。
のん:食べていると付いちゃうんです。この間もドーナツの砂糖がおでこに付いていました。
沖田:のんさんの食べ癖が良いシーンを作りました。

 
――居酒屋でシシャモを頼んだのにキャぺリンじゃないかと絡むシーンは昭和のおっさんぽくて良かった。監督からどんな演技指導があったのですか?
のん:酔っ払いの演技を監督が目の前でやってくれて面白かったのでまねしました。
沖田:2人でシーンを練習して本番に入りました。
のん:マンツーマンで教えてもらいました。沖田監督はよっぱらいの師匠です。
 
――のんさんはミー坊以外でやってみたい役はありましたか。
のん:ヒヨ役です。不良で狂犬というあだ名で鎖を付けているんです。アウトローで暴れるぞっていう感じなのに、飼い主がいて鎖で縛られている矛盾が味わい深い。柳楽優弥さんは昭和の不良が似合います。眉毛がはっきりしていて昭和のスターみたいでした。
 
――お互いここがすごいと、尊敬しているところを教えてください。
のん:沖田監督のファン、作品が大好き。出演させてもらって幸せでした。監督の映画への集中力がすさまじい。明るいパワーで良い空気が流れていて、良い演技が出来る。幸せで楽しかったです。映画の随所に演出をちりばめている。やはりすごい方、すごく勉強になりました。現場ではファンであることがばれないようにがんばってました。舞い上がらないように気をつけていました。
沖田:のんさんがミー坊をやっているから成立したと思っています。他に誰ができるのか? やってもらえてうれしかったです。努力を見せないよう飄々(ひょうひょう)としていましたが、ずっとミー坊を考えているのが出ました。さまになっていて全部OK出しそうなくらい。でも現場では、「がんばってますね」くらいで、すかしていましたが感謝です。
 
最後の締めで沖田監督は、「自分でも気に入っている作品でもう一回見たい、たびたびミー坊に会いたいなと思うくらい好きな作品です」。
のんは「宝物みたいになっていく作品なのかなと感じています。好きを求める真っすぐさを皆さんにも大切にしてほしいなと思います。この映画が一人一人の映画になってもらいたいな」とこれからも多くの人に見てもらいたいと、ともに映画をアピールした。

さかなのこ

お魚が大好きな小学生“ミー坊”は、寝ても覚めてもお魚のことばかり。お魚を、毎日見つめて、毎日描いて、毎日食べて。他の子供と少し違うことを心配する父親とは対照的に、母親はミー坊を信じて応援し、背中を押し続けるのだった。高校生になり相変わらずお魚に夢中のミー坊は、町の不良ともなぜか仲良し、まるで何かの主人公のようにいつの間にか中心にいる。やがて1 人暮らしを始めたミー坊は、思いがけない出会いや再会の中で、たくさんの人に愛されながら、ミー坊だけが進むことのできるただ一つの道にまっすぐに飛び込んで行くーー。

ライター
宮脇祐介

宮脇祐介

みやわき・ゆうすけ 福岡県出身、ひとシネマ総合プロデューサー。映画「手紙」「毎日かあさん」(実写/アニメ)「横道世之介」など毎日新聞連載作品を映像化。「日本沈没」「チア★ダン」「関ケ原」「糸」など多くの映画製作委員会に参加。朗読劇「島守の塔」企画・演出。追悼特別展「高倉健」を企画・運営し全国10カ所で巡回。趣味は東京にある福岡のお店を食べ歩くこと。

カメラマン
宮脇祐介

宮脇祐介

みやわき・ゆうすけ 福岡県出身、ひとシネマ総合プロデューサー。映画「手紙」「毎日かあさん」(実写/アニメ)「横道世之介」など毎日新聞連載作品を映像化。「日本沈没」「チア★ダン」「関ケ原」「糸」など多くの映画製作委員会に参加。朗読劇「島守の塔」企画・演出。追悼特別展「高倉健」を企画・運営し全国10カ所で巡回。趣味は東京にある福岡のお店を食べ歩くこと。

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