さんかく窓の外側は夜  © 2021 映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会©Tomoko Yamashita/libre

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2021.1.21

特選掘り出し!:「さんかく窓の外側は夜」 シュールな感触で悪を

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

同名マンガが原作のオカルトもの。除霊探偵とか呪いといったいかにもな設定、主役の2人といい周囲の人物といい、立ちすぎのキャラクター。リアリティーは希薄で絶叫系、背筋凍る系ホラーとは別物だが、シュールな映像のヒヤリとした感触が魅力の1本。

霊が見える特殊能力を持て余していた三角(志尊淳)は、霊をはらう力を持つ冷川(岡田将生)の助手として働く。刑事の半沢(滝藤賢一)の依頼で連続殺人事件の未発見遺体を捜し当てると、霊は「ヒウラエリカ」の名前を告げる。女子高生の非浦(平手友梨奈)は人を呪い殺す力を持っていた。

ひねりの利いた家族映画「おじいちゃん、死んじゃったって。」でデビューした森ガキ侑大監督が、映像センスを存分に発揮。寒色系の冷え冷えした画面、三角の見る亡霊や、非浦が悪意をため込む「貯金箱」と呼ぶ部屋のたたずまい、三角と冷川が異界に入り込む際の決め画など雰囲気たっぷり。冷川と三角が密着して霊をはらう場面など、美形男子が並んでなまめかしさも。悪の本丸に迫る手前で終わったのは、続編含みか。コロナ禍での全国公開でも健闘を期待。1時間42分。東京・丸の内ピカデリー、大阪ステーションシティシネマほか。(勝)

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