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2022.7.15
プチョン国際ファンタにク・ギョファン登場 シリーズドラマに門戸開き作品上映
映画祭は出会いの場。観客がめったに会えない作り手と交流するのも、楽しみの一つだ。プチョン国際ファンタスティック映画祭で7月10日、ク・ギョファンが登場して舞台あいさつと質疑応答に参加した。
舞台あいさつする(左から)ク・ギョファン、キム・ジヨン、シン・ヒョンビン=2022年7月9日、プチョンファンタスティック国際映画祭
シリーズものが映画でないと言えるのか
ク・ギョファンが姿を見せたのは、自身が主演したテレビシリーズ「怪異」の上映終了後。映画祭なのにテレビドラマとは意外な感もあるが、プチョンは今年から、シリーズものに門戸を開いたのだ。
映画祭のシン・チョル執行委員長は、「新しい時代にふさわしく、映画の定義をし直すべきだ」と話す。「『スターウォーズ』シリーズが映画なのに、配信のドラマが映画ではないと言えるのか。デジタル化によって全てが変わっていく中で、古い考えは改めるべきだ」と主張する。プチョンから映画の枠組みを変えていこうという挑戦である。今回から「シリーズ映画賞」を創設、第1回受賞作にNetflixの「イカゲーム」を選んでいる。
主演ドラマ「怪異」一気上映
上映部門としても「シリーズ・キラー」を新設。韓国のテレビの連作短編やシリーズものをまとめて見せる取り組みだ。「怪異」は今年4月から韓国のテレビ局TVINGで放送され、映画祭ではその全6話を2回に分けて上映した。
舞台あいさつするク・ギョファン=2022年7月9日、プチョンファンタスティック国際映画祭
ク・ギョファン演じたギフンは、優秀な考古学者だったが研究からは身を引き、怪奇現象の雑誌を発行し、ユーチューバーとしても活動している。ある地方の小村で仏像が発見されたことをきっかけに、次々と奇怪な出来事が発生する。やがて突然凶暴になり、周囲を攻撃する人が続出。ギフンの別居中の妻もこの地方に滞在していたことから、ギフンは謎を解くために村に向かい、怪奇現象に巻き込まれる。オカルトにアクションも加えたスリラーだ。
ファンのプレゼント攻勢
会場は若い観客でほぼ満席。上映終了後に客席後方からク・ギョファンらが現れると、歓声に包まれた。チャン・ゴンジェ監督、共演のシン・ヒョンビン、キム・ジヨンと共に、客席からの質問に答えていた。残念ながら韓国語だけで記者には内容が理解できなかったものの、それでも客席と作り手の距離が近く、日本よりも打ち解けているようす。退場するク・ギョファンに駆け寄ってファンがプレゼントを渡したのも、日本にはない光景だった。