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2024.11.18
二宮和也、莉子ら新キャストを得てパワーアップ! タイを舞台に事件を追う「インフォーマ -闇を生きる獣たち-」
ABEMAオリジナルドラマ「インフォーマ -闇を生きる獣たち-」(全8話)の放映が、11月7日(木)より始まった。
未見の方もシリーズへの理解が深まるポイントを紹介
「インフォーマ」といえば、2023年1月クールにカンテレで放送された連続ドラマが記憶に新しい。あらゆる情報に精通し、その情報をエサに商売をする〝インフォーマ〟・木原慶次郎(桐谷健太)と、ペンの力で権力に立ち向かうジャーナリストに憧れている「週刊タイムズ」の記者・三島寛治(佐野玲於)が、それぞれの野心に突き動かされて「火だるま事件」の黒幕を追う、骨太なクライムエンターテインメントだ。
本作はその続編ではなく、沖田臥竜による原作「INFORMAⅡ -Hit and Away-」(サイゾー文芸部刊)を映像化した新シリーズという位置づけだ。といいつつ、桐谷と佐野をはじめとする主要キャストが全員続投しているため、23年版「インフォーマ」の2年後のストーリーと受け止めるのが自然だろう。
前作はNetflixやAmazonプライムビデオ、ABEMAなどで視聴可能だが、本作から見始める新規視聴者のために、把握しておくとわかりやすいよ、というポイントを列挙しておこう。
・インフォーマのシノギは情報である。
・木原は週刊タイムズの編集長(MEGUMI)と情報を共有している。
・木原は三島を「ポンコツ」と呼んでこきつかうが、三島はそれが面白くない。
・三島は2年前に木原のせいで命の危機にさらされたが、そのおかげでスクープ記事「火だるま事件」を世に放つことができた。
・三島のモチベーションは、木原の力を借りず特ダネをものにし、一流の記者として認められること。
本作で三島は、東京都内で発生した「闇バイト殺人事件」の取材を命じられ、実行犯が現場から盗み出した「マイクロチップ」を手に高飛びしたタイ・バンコクへと飛ぶ。スクープをものにするぞ!と意気込んでいると、すべては木原(と編集長)の筋書き通りに進んでいたことを知り、またしてもプライドを傷つけられてしまう。
タイでのロケが、スケール感と躍動感をアップ
本作の特徴であり大きな魅力のひとつに、タイ・バンコクでのロケーションがある。右も左もわからないままバンコクの空港に降り立った三島を、新キャラクターである「週刊タイムズ」の現地特派員兼通訳・広瀬(莉子)が迎えてアテンドするのだが、タイの開放的な空気感と広瀬のはつらつとしたキャラクターが相まって、「インフォーマ」の新規視聴者を歓迎する。そのムードづくりは、新シリーズとして大正解だろう。
一方で、前作のファンをニヤリとさせる目配せも忘れない。バンコクの大衆食堂で三島と木原が2年ぶりに再会する場面では、木原が焼いている肉を三島の顔に投げつける。これは前作で2人が初対面する場面と重なるやりとりだが、前作を知らなくても楽しめる。
第2話ではバンコクの街をトゥクトゥクとバイクで激走するカーチェイスあり、第3話では三島がバンコクの刑務所にぶち込まれて窮地に追い込まれる展開もあり。その後も警察、タイのマフィア、「闇バイト殺人事件」の黒幕らとの市街戦もありと、エンタメとしてスケールが大幅にアップしている。前作は東京の闇にうごめく面々の思惑がじっとりと交錯していたが、本作ではタイを舞台にしたことで湿度が下がり、間口が大きく広がった。
前作の大ファンだった二宮和也ほか、新キャストに注目
本作の最大の魅力はやはり、木原と三島のキャラクターにある。裏社会を生き抜く一匹狼(おおかみ)の木原は、見た目も関西弁もいかつく豪快で、大事な人を守り抜く情の厚さを併せ持つ。三島に対し、「おいポンコツ〜」とバカにしながらも愛情がにじむ表情を見せる木原の人間味は、桐谷健太の真骨頂だ。
一方で、情報を扱う職業人として、男として、人として、すべてにおいて太刀打ちできない木原に翻弄(ほんろう)される三島は、己の無力さや不がいなさに何度も心が折れそうになる。心身ともにズタボロになりながらなんとか食らいついていく三島のガムシャラさは、佐野玲於だから出せるものだろう。逃げ出せばいいのに、ジャーナリストのプライド、いや、エゴのようなものに取りつかれた三島は火中の栗を拾いに行く。矛盾を抱えた巻き込まれ型主人公の三島から目が離せない。
新キャラクターもそれぞれ魅力を放っている。タイパートでは、前述したように広瀬を演じる莉子には華があり、闇バイト殺人事件を陰から操る鬼塚を演じる池内博之は声の魅力で視聴者をひき付け、彼の2人の手下を演じる兵頭功海とSUMIREはキャラクターの造形が秀逸だ。
兵頭は「下剋上球児」(TBS)の根室と同一人物とは思えない風貌にひょう変。SUMIREはしゃべることができないキャラクターを演じることで、彼女の謎めいた瞳の魅力が存分に発揮されている。前作にも出演している一ノ瀬ワタルの場を支配する力は圧倒的だ。
日本パートでは、前作がオンエアされるたびにSNSで絶賛していた二宮和也が警察官僚として出演し、「闇バイト殺人事件」に興味を示す。前作のラストで死んだと思われていた、木原の因縁の相手・冴木亮平(森田剛)の登場も発表済みだ。日本とタイの誰もが狙う「マイクロチップ」の中身はなんなのか? その謎を推進力に突き進んだ先に何があるのか、最後まで見届けたい。
「インフォーマ -闇を生きる獣たち-」はABEMAにて独占配信中。