ローラとふたりの兄 © 2018 NOLITA CINEMA - LES FILMS DU MONSIEUR - TF1 DROITS AUDIOVISUELS - FRANCE 2 CINEMA

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2021.12.09

ローラとふたりの兄

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

西フランスの町、アングレーム。弁護士のローラ(リュディヴィーヌ・サニエ)の兄は、長男で眼鏡士のブノワと次男で解体業者のピエール(ジョゼ・ガルシア)。大人げない言動でケンカになった兄の仲裁は、包容力あふれる柔らかい笑顔で話を聞く常識人のローラの役目だ。さまざまな問題が起こるなか、彼女は新しい恋人(ラムジー・べディア)と暮らし始める。

よく見てみれば、どんな人にも愛すべき点がある。そして解体されたビルディングを逆再生の映像のように再建することは難しいが、人間関係は歩み寄る気持ちがあれば修復可能。そう思うと、二人の兄の職業も象徴的に見えてくる。長男役で出演もしているジャン・ポール・ルーヴ監督は、血のつながりのある家族の面倒くささとありがたさとともに、血のつながりのない家族の可能性も描き出した。次男のいつも機嫌がいい同僚、ティラミスや花束など〝脇役〟もいい仕事をしていて楽しい。1時間45分。東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、大阪・シネ・リーブル梅田(17日から)ほか。(細)

異論あり

仲の良い3人をはじめ善意の人々が登場する、心温まる物語。失業したり子どもができないことが分かったりと人生の一大事に出くわすが、心優しき人々に助けられる。出来過ぎのお話がベタベタしないのは、さじ加減のうまさだろう。ギスギスした気分を癒やすにはうってつけ。(勝)

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