左から司会のMCの平野雄大さん、ちわきまゆみささん、増子直純さん

左から司会のMCの平野雄大さん、ちわきまゆみささん、増子直純さん

2023.8.25

本日公開「シーナ&ロケッツ 鮎川誠〜ロックと家族の絆〜」前夜祭で怒髪天・増子直純、シーナに叱られる鮎川誠の目撃談など語る!

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及川静

及川静

今年1月に74歳で永眠したロックミュージシャン・鮎川誠さんのドキュメンタリー映画「シーナ&ロケッツ 鮎川誠〜ロックと家族の絆〜」の全国公開前夜祭イベントが、24日開催された。当イベントは「ひとシネマ」が行うトークイベントvol.1で、「『死ぬまでロック』を語る」と題し、東京・南青山のロックバー「レッドシューズ」にて開催された。「レッドシューズ」は鮎川さんが「ロックの迎賓館」と名付け、ライブを行ったこともあるゆかりの店だ。イベントは鮎川さんの出演番組を多数担当したプロデューサー・ディレクターの平野雄大さんがMCを務め、ロックバンド「怒髪天」のボーカル・増子直純さん、DJ・ボーカリストのちわきまゆみさんをゲストに迎えて、オンライン、オフラインの両方でたっぷり1時間30分、ほかでは聞けないシナロケの思い出やロック秘話を語った。

©RKB毎日放送/TBSテレビ
 
この映画は、2023年2月5日にTBSで放送された「ドキュメンタリー〝 解放区 〟『シーナ&ロケッツ 鮎川誠と家族が見た夢』」を基に、ロック黎明(れいめい)期から存在感あふれるギタリストとして活躍してきた鮎川さんの半生を振り返りつつ、3人の娘を含む鮎川家の“家族の形”も映し出している。鮎川さんは2015年2月にシーナさんが亡くなった後も「シーナ&ロケッツ」として活動を続け、その後には三女のLUCYさんがボーカルに。バンドは新たな方向へと進み始めていたが、番組放送直前の1月29日、今度は鮎川さんがすい臓がんでこの世を去ってしまったため、番組は追悼の言葉を加えた形で放送された。その後、家族や親しい友人たちの証言を加えて、新たに編集されて完成したのがこの映画版なのである。
 
会場となった「レッドシューズ」には、同店でのシナロケのライブも見たことがあるのであろうファンが詰めかけ、3人の話に耳を傾けた。イベント冒頭で増子さんが「数々のこの映画のイベントの中で、間違いなく一番面白いはず!」と言った通り、音楽番組出演時やイベント出演時の裏話、プライベートでも交流のあった3人だからこそ知り得るエピソードが多数飛び出した。まずは増子さんが「普通、夫婦でバンドをやるとカッコよくはならない。どこか所帯染みてしまうものだが、鮎川家はスペシャルだ」と言うと、ちわきさんも「夢のような家族」と、まるで映画のような鮎川家のビジュアルを絶賛。3人の娘の子育てでもスタイルは変わらず、PTAの会合にスーツで出席しようとした際には逆に娘たちに止められ、いつも通りのロックスタイルで出かけた。一方、シーナさんもあの姿のまま、子供の安全を守る〝 緑のおばさん〟をしたという裏話まで飛び出した。
 
それまで、ロッカーは家庭を顧みないのがスタンダードだったが、鮎川さんは仲むつまじい家族の形を見せ、それがカッコよく、最後まで変わらなかったこと。どんな相手にも変わらずやさしく、カッコいいのに、強めの博多弁がかわいらしい。時にはライブ前にシーナさんに叱られる姿も見せ、愛さずにはいられない人だったことを明かした。鮎川さんの人柄、めんたいロックなどの音楽性、シナロケの好きな曲、世界的ロックミュージシャンたちを含む交友録など、話は尽きない。最後には映画版の寺井到監督も登壇し、撮影時の思い出話を披露。「また会いたいです」と言うと、増子さんもちわきさんも何度もうなずいていた。

飛び入りの寺井到監督
 
鮎川さんのやさしい人柄を示すように、トークショーは穏やかな雰囲気で流れ、あっという間に1時間半が経過。増子さんが「映画を見終わっても悲しくならない作品で、いい(人生の)終わりだったのではないかと思えるほど、愛に包まれた姿を見ることができる」と言うと、ちわきさんも「とてもやさしい気持ちになれる映画。ドキュメンタリーだけど、絵になりすぎていて、ドキュメンタリーっぽくない」と語り、観客を笑わせた。エピソードはまだまだ尽きない様子だったが、イベントは惜しまれつつ終了。トークショーが終わるとシナロケの曲が大音量で流れ、店はシナロケ一色に。集ったファンたちは、その後もお酒を片手にシナロケの思い出話に花を咲かせていた。

©RKB毎日放送/TBSテレビ

ライター
及川静

及川静

おいかわ・しずか 北海道生まれ、神奈川県育ち。
エンターテインメント系ライター
編集プロダクションを経て、1998年よりフリーの編集ライターに。雑誌「ザテレビジョン」(KADOKAWA)、「日経エンタテインメント!海外ドラマ スペシャル」(日経BP)などで執筆。WEBザテレビジョン「連載:坂東龍汰の推しごとパパラッチ」、Walkerplus「♡さゆりの超節約ごはん」を担当中。

カメラマン
下元優子

下元優子

1981年生まれ。写真家。東京都出身。公益社団法人日本広告写真家協会APA正会員。写真家HASEO氏に師事

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