ただ悪より救いたまえ ⓒ 2020 CJ ENM CORPORATION, HIVE MEDIA CORP. ALL RIGHTS RESERVED

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2021.12.16

特選掘り出し!:ただ悪より救いたまえ 暗殺者の格闘、容赦なく

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)。

韓国のアクション映画、いやあ面白い。でも疲れる。たたみかける物語とこれでもかという暴力場面。この手の映画も平気という強心臓のファンに、体調を整えて臨むようお勧めする。

東京で最後の仕事を終えた暗殺者のインナム(ファン・ジョンミン)。元恋人が殺され、連れていた娘が誘拐されたと知って、娘を救出すべくタイに向かう。一方、インナムが殺害した標的の弟レイ(イ・ジョンジェ)が、兄の復讐(ふくしゅう)を果たそうとインナムを狙う。

目的のために手段を選ばない、スゴ腕の殺し屋が2人。ほぼ無法地帯として描かれるタイの裏社会での人捜しだから、その手法たるやエグいのなんの。情報を引き出すため人を容赦なく痛めつけ、待ち構える荒くれ者をなぎ倒す。鋭いアングルと編集の格闘場面は切れが良く、ホン・ギョンピョ撮影監督はザラついた画面で陰影を強調して、映像は実にかっこいい。

そして2人とも一直線。片や娘の命を救いたい、片やインナム殲滅(せんめつ)こそ全て。他は顧みない。彼らを助ける脇役の配置も巧みで最後までハラハラさせる。見終わって思わず肩の力を抜いた。ホン・ウォンチャン監督。1時間48分。東京・シネマート新宿、大阪・梅田ブルク7ほかで24日から。(勝)