ウェディング・ハイ  (C)2022「ウェディング・ハイ」製作委員会

ウェディング・ハイ (C)2022「ウェディング・ハイ」製作委員会

2022.3.17

ウェディング・ハイ

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

彰人(中村倫也)と遥(関水渚)は、ウエディングプランナー中越(篠原涼子)に支えられ結婚式当日を迎えた。しかし、主賓のスピーチや新郎新婦のVTR製作、乾杯の発声など定番の演目に並々ならぬ情熱を燃やす上司らが暴走し、予定時間を大幅にオーバー。遥の元恋人(岩田剛典)や謎の男(向井理)も加わって披露宴は大混乱に。

結婚式で実際にありがちなトラブルを寄せ集めた群像コメディー。笑いのネタをきっちり回収したまとまりの良さはあるが、少し時代を後戻りして見せられている感覚が序盤からラストまで続き、古めかしさは拭えず。ドタバタはあっても、エピソードを1時間半ぐらいに絞り込んだらあまり気にならなかったかもしれない。中越の一か八かの突拍子もないかけに驚いただけに、気合の入りすぎた招待者とプランナーや披露宴スタッフの離れ業対決をもっと見たかった。

お笑い芸人バカリズムのオリジナル脚本。大九明子監督。1時間57分。東京・丸の内ピカデリー、大阪・あべのアポロシネマほか。(鈴)

異論あり

結婚式あるあるを集めたコント集の趣。主張も深みもないものの、バカリズムの細部に目を凝らした笑いのセンスと、大九監督の対象からほどよい距離を取った演出があいまって、小気味よい小品。中越ら式場職員の熱量の高いドタバタが、お仕事映画としての味付けともなった。(勝)