ファブル2 殺さない殺し屋 ©2021「ザ・ファブル 殺さない 殺し屋 」製作委員会

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2021.6.17

ザ・ファブル 殺さない殺し屋

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

伝説の殺し屋ファブル(岡田准一)はボスから「1年間誰も殺すな」と命じられ、佐藤という偽名で相棒のヨウコ(木村文乃)と暮らす。一方、子供を守るNPO代表の宇津帆(堤真一)は、4年前のある事件でファブルに弟を殺され復讐(ふくしゅう)を誓っていた。佐藤はその事件で助けたものの、けがをして車椅子を使うヒナコ(平手友梨奈)と再会し、事件に巻き込まれていく。

シリーズ第2作も冒頭から派手なカーアクションがさく裂。岡田の身体能力の高さとテンポのいい展開で、日本映画のアクションの領域を広げた。しかし、大胆なアクションに比べ、ドラマとしての吸引力はもの足りない。宇津帆や仲間の殺し屋鈴木(安藤政信)に迫力も頭のキレも感じられず、宇津帆の悪党ぶりもさえないというか予想の範囲内。ファブルを脅かすようには到底思えず、狂気性もほどほど。悪役が主人公を上回るくらいの魅力を見せるとドラマ性は高まるが、アクションだけが浮いてしまった。江口カン監督。2時間11分。東京・丸の内ピカデリー、大阪・梅田ブルク7ほか。(鈴)

異論あり

ビルの狭い隙間(すきま)を落ちながらの攻防とか、マンション前の崩れていく足場を走りながらとか、豊富なアイデアのアクションはジャッキー・チェンもほうふつとさせる。岡田の指導という組手も、派手で大ぶりに動くよりも、鋭く無駄がなく実戦的でリアル。お話は二の次、三の次。(勝)

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