2022年も残りわずか。たくさんの作品が公開、配信されました。7月の上半期総決算に続いて、ひとシネマ執筆陣が1年を総まくり、「ゆく年」編は22年の10本を選出しました。返す刀の「くる年」編で、23年の期待作も紹介します。題して「ひとシネマ的ゆく年くる年」。年末年始の鑑賞ガイド、新年のカレンダーとしても、ご活用を。
2022.12.15
2022年総決算 ゆく年編 高橋諭治
「春原さんのうた」(杉田協士監督)
「スティルウォーター」(トム・マッカーシー監督)
「ライダーズ・オブ・ジャスティス」(アナス・トマス・イェンセン監督)
「ブラックボックス 音声分析捜査」(ヤン・ゴズラン監督)
「MEMORIA メモリア」(アピチャッポン・ウィーラセタクン監督)
「不都合な理想の夫婦」(ショーン・ダーキン監督)
「夜を走る」(佐向大監督)
「ニューオーダー」(ミシェル・フランコ監督)
「あなたの顔の前に」(ホン・サンス監督)
「あのこと」(オードレイ・ディバン監督)
気になる映画が多すぎる!
上記の10本は2022年劇場公開作品を対象とし、封切り順に並べたもの。混迷する世相を反映してか、それとも筆者の趣味の表れか、サイコスリラー的な要素をはらんだ不穏な作品ばかりとなった。配信作品ベストのNetflixの台湾映画「瀑布」(チョン・モンホン監督)もしかり。
シャンタル・アケルマン、ジャック・リベット、ウォン・カーウァイらの特集上映、「WANDA/ワンダ」のような見過ごされた旧作の初公開が実現したことも22年の大きなトピック。配信サイトでは、独自路線を突き進むJAIHOのラインアップが光った。都営新宿線ユーザーとしては、菊川の映画館「ストレンジャー」の新規オープンはうれしい限り。
それにしても気になる映画が多すぎて、とても体がついていかない。「一寸先は闇」などの超貴重なクロード・シャブロル4作品を放映してくれたスターチャンネルもあっぱれ。おかげでサブスク地獄の深刻化が止まらない!