ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード  © 2020 Hitman Two Productions, Inc. All Rights Reserved.

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2022.4.15

ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

元一流ボディーガード、マイケル(ライアン・レイノルズ)は、過去の失敗のトラウマを癒やすために銃を使わないと誓っている。詐欺師のソニア(サルマ・ハエック)は切れると暴れ、何をするか分からない。ソニアの夫で殺し屋のダリウス(サミュエル・L・ジャクソン)は、マイケルの天敵だ。そんな3人が、EUにサイバーテロを仕掛けようとするアリストテレス(アントニオ・バンデラス)を阻止することに。「ヒットマンズ・ボディガード」(2017年)の続編だが、前作未見でもご心配なく。筋立てに頭をひねる必要のない、肩の凝らないアクションコメディーだ。

キャラクター設定の妙と芸達者の俳優陣の掛け合いで、映画は快走。憎まれ口をたたき合いながら敵をなぎ倒す3人組は、少々過激だが痛快だ。コミカルなアクションはアイデアが豊富で、しかもキレが良い。ほどよい軽さの娯楽作。パトリック・ヒューズ監督。1時間56分。東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田ほかで公開中。(勝)

ここに注目

コテコテのアクション映画はどうも苦手だが、本作のとことん振りきった銃撃、爆破、カーチェイスのつるべ打ちには潔ささえ感じる。強迫観念に取りつかれたキャラクターを演じると、がぜんいきいきとするレイノルズの特異な個性も全開で、狂気をはらんだ怪演に大笑い。(諭)