ひとしねま

2024.3.22

チャートの裏側:増える「高額」映画館

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

IMAXシアターに、久しぶりに行ってきた。「デューン 砂の惑星PART2」を見るためだ。満席だった。この映画館は、大きなスクリーン、迫力ある音響を備える。映画自体が、IMAX対応専用のカメラで撮影されているという。通常料金より700円高かったが、行かざるを得なかった。

地表が砂で覆われた惑星を舞台に、この地の覇権をめぐる戦いを描く。砂を巻き上げながら地上に現れる巨大な砂虫。昆虫の羽をばたつかせるように飛ぶヘリ型戦闘機。地響きをたてながら砂地を行き交う大型装甲車。大スクリーンに映える。大音響は椅子席を振動させる。

この作品の1人当たりの平均入場料金は1800円を超える。普通の単価は1300円台なので、いかに高いか分かる。IMAX以外でも、ドルビーなど高度な設備、高額料金のラージフォーマット型映画館も増えている。多くの観客が、それらの映画館に足を運んだということである。

配給会社の宣伝戦略もあり、観客がそう仕向けられたこともある。今更だが、映画の価値観、受けとめ方が実に多様になってきたことを痛感する。映画の作られ方にふさわしい鑑賞の仕方がある。ただ、そこを打ち出し過ぎると、一般的な映画館の集客は減る。館数はこちらの方が多い。複雑な心境を抱いた。この映画館選別の時代は厳しい。(映画ジャーナリスト・大高宏雄)

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