「オペレーション・フォーチュン」 ©2023 MIRAMAX DISTRIBUTION SERVICES, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.ALL MOTION PICTURE ARTWORK ©2023 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

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2023.10.13

「オペレーション・フォーチュン」 キャスティングの妙が光る痛快アクション

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

英国諜報(ちょうほう)局(MI6)御用達の敏腕エージェント、オーソン・フォーチュン(ジェイソン・ステイサム)は、闇で取引されているという〝ハンドル〟と呼ばれる物を追跡、回収するミッションを与えられる。MI6のコーディネーター(ケイリー・エルウィズ)、毒舌の天才ハッカー(オーブリー・プラザ)、新米スナイパー(バグジー・マローン)らを率いて任務に挑む。

ガイ・リッチー監督とステイサムのタッグと聞けば、それだけで面白さは約束されたようなもの。今回の作品でもぶっきらぼうなステイサムを中心に、痛快なアクションで見る者を引き込む。何よりも楽しいのは、個性豊かな面々とのコミカルな絡み。最近はすっかりクセの強いキャラクターが似合う俳優としての地位を確立しているヒュー・グラントが億万長者の武器ブローカーを演じ、かつてアイドル的人気を誇ったジョシュ・ハートネットがハリウッドスターに扮(ふん)するなど、キャスティングの妙が光る。ロンドンからカンヌなど舞台は華やかに移り変わり、全体に漂う〝軽さ〟が楽しい。1時間54分。東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田ほか。(細)

異論あり

アクの強い多くの登場人物が交錯し、展開も目まぐるしくアクションもふんだんで盛りだくさんなのに、流れが滞ることがない。ところてんのようにツルツルとのみ込める語り口は、リッチー監督の至芸。もっとも、細かな矛盾は言いっこなし、楽しいだけで深みも余韻もないのはご愛嬌(あいきょう)。(勝)

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