Y2K=2000年代のファッションやカルチャーが、Z世代の注目を集めています。映画もたくさんありました。懐かしくて新しい、あの時代のあの映画、語ってもらいます。
2022.11.01
主人公の価値観やファッションに惹(ひ)かれた! Z世代に推したい「キューティ・ブロンド」
大好きな彼を追いかけるための作戦、それは……。
「私、ハーバードのロースクールへ行くわ!」
いつだって輝いていたいの。
華やかなお洋服にキラキラのアクセサリー、もちろん爪の先まで輝いていたいじゃない?それならネイルは欠かせないよね!
主人公エルはおしゃれが大好きな女の子。
夢は、イケメンで賢い大好きなボーイフレンドのお嫁さんになること。学校ではその美貌からみんなの人気者。ボーイフレンドとのゴールインも目前か!?と思いきや……。
「妻にする女性は、真面目な人がいいんだ」
と振られてしまう。揚げ句の果てにトレードマークのブロンド髪を指摘され、エルの恋は強制終了。しかし、諦められなかったエルは「元カレ」を追うために、ハーバード大学のロースクールへの入学を決意する。
The女の子・エルの、超キュートな人生劇!
Z世代の女の子なら一度は憧れるY2K作品「キューティ・ブロンド」をご紹介!
挑戦を恐れず、人を信じぬくエルの強さに憧れる
おしゃれでは誰にも負けないエル。ハーバード大学ロースクールを目指すものの、その道のりは甘くない……。大学の卒業論文では「水玉模様の歴史」を書くような、エルのふわふわ頭脳では到底太刀打ちできない世界。しかし猛勉強と持ち前の魅力で、見事ハーバード・ロースクールに迎え入れられる。
いつだって不可能を可能にするエルの姿は、可愛らしい見た目だけではなく人間性として私の憧れ。派手で軽々しい見た目の裏には、ちゃんと「自分」を持っている。どれだけ周りからバカにされても、それを覆す強い気持ちで周りを圧倒する存在感はとても爽快で目が離せない。一度決めたことにはバカ真っすぐに突き進むエルの人間像は、作中の登場人物だけでなく見ている私たちにまで勇気をくれる。
エルのもう一つの魅力。
それは、無条件に人を信頼できる力。
まあでも、「信頼」と言っても「そんな世の中甘くないですよ!」っていうのが、私の本音。だからこそエルが断固として人を信頼し続ける姿には、私自身が持ち得ない才能の持ち主を見たかのような気持ちになった。
エルがこぼした数々の言葉の中に、私はドキリとした。
「もっと人を信頼するべきよ。
そうすれば意外なことが発見できるわ」
発見……、か……。
ちょっと気になるかも。
私自身、成長するにつれて周りが敵に見えることが増えた気がする。その影響だろうか、人に対して疑い深い性格になった。だって、裏切られたときに傷つきたくないから。だけどエルは教えてくれている、信頼したその先の発見を。それも自らの失敗と共に。
挑戦や人を恐れない、エルのような人に私もなってみたい。
Y2KファッションはZ世代の自己表現ツール
本作で特に注目したいポイント、それは……。
クロップド丈(短め丈)トップスにミニスカート、カラフルなお洋服たち。主人公エルが着こなす、可愛すぎるファッション!
近年、Z世代の間で流行しているY2Kファッション(2000年代に流行したファッションのこと)。最近ではK-popアイドルのコンセプトとしても多く起用されるY2Kは、20年の時を経て再び若者の間で熱狂的な支持を集めている。
そのトレンドを生み出した時代真っただ中の作品なだけあり、19歳Z世代の私にとっては作中のどの服装も「かっっわいいーーー!」と声をあげてしまいたくなるくらい魅力的なものばかりだった。まさに目の保養とはこのこと(笑い)。
なぜここまでY2Kファッションが人気を集めるのだろう。
理由の一つとして「前向き思考」なファッションであるということが挙げられる。カラフルで特徴的な服は人々の目を引き付ける。そんなお洋服を身にまとうことで堂々とした「自分」が表現できるのではないだろうか。
「これが私よ!」
と、言わんばかりに。
息をするようにSNSを使いこなす私たちZ世代にとって、Y2Kファッションはまさに「映える」もの。カラフルなアイテムは、自己アピールに効果的な材料。時代の変化とともに表現のツールは変わっても、「自分らしさ」を表現することへの欲求はいつの時代も変わらないと言えるだろう。
エルが、頑張る女の子の背中を押してくれる!
「女の子の強さ」
この映画で私が最も感じたメッセージ。
女の子だって、頑張れば何でもできる! 何かをがむしゃらに頑張る女の子はいつだって私の憧れ。でもそれって、きっと簡単なことではないはず。だから一度立ち止まって考えたい時にこの映画を見て、背中を押してもらいたい。
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