「シチズンフォー スノーデンの暴露」(2014年)のローラ・ポイトラス監督が、巨大資本を相手に声を上げて戦う写真家ナン・ゴールディンの姿に迫るドキュメンタリー。第95回アカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞ノミネート作品。
1970年代から80年代のドラッグカルチャー、ゲイサブカルチャー、ポストパンク・ニューウェーブシーンなど、当時過激と言われた題材を撮影し、一躍時代の寵児となった写真家ナン・ゴールディン。2018年3月10日、ニューヨークのメトロポリタン美術館に彼女と仲間たちの姿があった。目的の場所は、製薬会社を営む大富豪が多額の寄付をしたことでその名を冠された「サックラー・ウィング」。そこで彼女らは、「サックラー家は人殺しだ」と、糾弾しながら「オキシコンチン」という鎮痛剤の容器を放り投げ始めた。「オキシコンチン」とは「オピオイド鎮痛薬」の一種であり、全米で約20年の間に依存症や過剰摂取によって50万人以上が死亡した「オピオイド危機」の原因になったとされる薬品だ。なぜ、ゴールディンは製薬会社を相手に声を上げ、戦うことを決意したのか。その背景には、大切な人たちとの出会いと別れ、アーティストである前に彼女が一人の人間として歩んできた道のりがあった。
© 2022 PARTICIPANT FILM LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
公開日: 2024年03月28日
美と殺戮のすべて
監督 :
出演 :
原題:All the Beauty and the Bloodshed
2021年 /アメリカ /121分 /R15+
配給 :
公式サイト: https://klockworx-v.com/atbatb/
新着記事
フェイクニュースと陰謀論を疑似体験「エンタメ通してワクチンに」「フィクショナル」
黒澤明の大傑作「七人の侍」は、海外で今、どう見られているのか。メルボルン鑑賞リポート
自分の過去が暴かれるかもしれない恐怖を描くスリラー「ディスクレーマー 夏の沈黙」
高倉健没後10年「緋牡丹博徒 二代目襲名」をZ世代ライターが見た「強烈なインパクトを残す主役級の『瞳』」