アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家

公開日: 2024年06月20日

アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家

戦後ドイツを代表する芸術家であり、ドイツの暗黒の歴史を主題とした作品群で知られるアンゼルム・キーファーの生涯と、その現在を追ったドキュメンタリー。アンゼルム・キーファーは、ナチスや戦争、神話などのテーマを、絵画、彫刻、建築など、多彩な方法で表現世界を創造する戦後ドイツを代表する芸術家。初期の作品の中には、戦後ナチスの暗い歴史に目を背けようとする世論に反し、ナチス式の敬礼を揶揄する作品を作るなど〝タブー〟に挑戦する作家として注目を浴びる存在となった。1971年からはフランスに拠点を移し、わらや生地を用いて歴史、哲学、詩、聖書の世界などを題材とした創作活動を行っている。1991年、高松宮殿下記念世界文化賞・絵画部門を受賞。

監督は、「パリ、テキサス」(1984年)や「ベルリン・天使の詩」(87年)、「ミリオンダラー・ホテル」(00年)、「PERFECT DAYS」(23年)などの劇映画だけでなく、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」(99年)や「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」(11年)、「セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター」(14年)などのドキュメンタリーも手掛けるドイツの名匠ビム・べンダース。キャストは、アンゼルム・キーファー本人の他、自身の青年期を息子のダニエル・キーファーが演じ、幼少期をべンダース監督の息子、アントン・ベンダースが務めている。

本作は、制作期間に2年を費やし、3D&6Kで撮影。絵画や建築を、立体的で目の前に存在するかのような奥行きのある映像で再現する。

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