王国(あるいはその家について)

公開日: 2023年12月08日

王国(あるいはその家について)

「螺旋銀河」(2014年)で第11回SKIPシティDシネマ映画祭SKIPシティアワードと観客賞をダブル受賞した草野なつか監督による長編第2作。愛知芸術文化センター・愛知県美術館 オリジナル映像作品として製作された本作は、2017年に64分版が発表されて以降、再編集によって150分版が製作された。脚本は、「螺旋銀河」に共同脚本として参加し、「ハッピーアワー」(15年)などを手がけた高橋知由。

本作は、演出による俳優の身体の変化に着目。 脚本の読み合わせやリハーサルを、俳優が役を獲得する過程=〝役の声を獲得すること〟と捉え、同場面の別パターンまたは別カットを繰り返す映像により表現している。 ドキュメンタリーと劇で交互に語ることで、脚本が持つ可能性をも反復し、友人や家族という身近なテーマを用いて人間の心情に迫る。

出版社を休職中の亜希は、幼なじみの野土香の新居へ行くため、実家に帰省する。野土香は大学の先輩だった直人と結婚して子供を出産し、実家近くに建てた新居に住んでいた。その家は温度と湿度が心地よく適正に保たれていて、まるで世間から隔離されているようだと亜希は思った。最初は人見知りをしていた野土香の娘・穂乃香は、亜希が遊び相手をしているうちに彼女に懐いた。一方、野土香はとても疲れているような印象を受けた。数日後、亜希は東京の自宅にいて、机に座り手紙を書いていた。やがて書き終えると声に出して読み始める。「あの台風の日、あの子を川に落としたのは私です」。そして今、亜希は警察の取調室にいる。野土香との関係や彼女への執着、直人への憎悪について、亜希は他人事のように話し始めた。

製作総指揮 :

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2017年 /日本 /150分

公式サイト: https://www.domains-movie.com/

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