「豚とふたりのコインランドリー」で、PFFアワード2021審査員特別賞を受賞した蘇鈺淳（スー・ユチュン）監督による初長編作品。切実ななかにもおかしみが切り取られた映画にまつわるロードムービー。主人公の映画監督小島桐子役に、「猫は逃げた」（2022年）の山本奈衣瑠、プロデューサー役を「辻占恋慕」（22年）などの早織が演じている。また蘇鈺淳監督の恩師で映画監督の諏訪敦彦が〝チャーミングな役どころ〟で出演している。

映画監督の小島桐子は、ロードムービーを撮りたいと思っていたが、予算やキャスティングで難航し、問題は山積みだ。ある日のロケハンで車は故障、その夜には飼い猫に逃げられ、同居人は産気づく。トラブルが押し寄せ動揺した桐子は、翌朝の大事なメインキャストの打ち合わせをすっ飛ばしてしまう。キャストが決まらず、故障した車を直すお金もないなかで、桐子は撮影を実現させるための、あるアイデアを思いつく。

©️2023 東京藝術大学大学院映像研究科