17歳で漫画家デビューし、代表作「未成年」や「編集王」「雲出づるところ」を発表。「同じ月を見ている」で平成11年度文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞し、人気作家としての地位を築いていった漫画家・土田世紀。2012年に突然この世を去ったが、その影響は多くの漫画家に及んでいる。土田世紀が残した「かぞく」は、土田の生きざまを色濃く写した未完の絶筆作品。この「かぞく」を「十三人の刺客」（2010年）や「るろうに剣心」シリーズ、人気TVCM『au 三太郎』シリーズの衣裳デザイン、キャラクターデザインを務めてきた澤田石和寛が、作家名を澤寛として実写映画化した。4人の男の4つの家族の喪失と再生の物語を吉沢亮、永瀬正敏、小栗旬、阿部進之介の人気実力を兼ね備えた俳優陣が演じている。

父が失踪したマコトは、母と二人、住み慣れた街を離れて新しい街へと向かう。内縁の妻と密やかに生活を送るケンジ、その妻ハルカはある秘密を抱えていた。妻を亡くし、父1人で2人の子供を育てるタケオは、子供たちと海へドライブに出かけた。久しぶりに実家へ帰ってきたユウイチは、自分の名を呼ぶ女性に森の中へといざなわれていく。

©土田世紀／日本文芸社，Aniplex Inc.