チャートの裏側:重厚な犯罪劇の伝統継ぐ
ハードな犯罪劇を描く邦画の実写娯楽作品が久しぶりに登場した。「キャラクター」だ。邦画アニメーションが強さを発揮する今の興行事情で、このような重厚な実写作品が公開されるとホッとする。「ガンバレ実写」という気持ちもある。オリジナル企画である点も心強い。 芽が出ない漫画家が、現実の犯罪を目の当たりにしたことから、そのリアル感を自作に取り入れて売れっ子になる。もちろん、そこには落とし穴がある。それも一つではない。落下の際のあまりの深さに驚く。身の毛がよだつ。落とし穴は、観客に対しても仕掛けられている。 菅田将暉(漫画家)と小栗旬(刑事)が出色の演技を見せる。菅田は善人であるがゆえに表現者として不安...