イギリスの劇作家アーノルド・ウェスカーが書いた1959年初演の戯曲「調理場」を原作に、舞台をニューヨークに移し、まぶしく先進的な街とレストランで働きながらアメリカン・ドリームを求めて滞在する移民たちの対比をユーモラスに、時に痛烈に描いたヒューマン・エンターテインメント。日本でも蜷川幸雄の演出により「キッチン KITCHEN」として上演されるなど、幾度となく舞台化されてきた作品。2度目の映画化となる本作は、笑えるほどにブラックな職場に、文化や政治の違いと資本主義が作り上げた格差ループから抜けられない人々が付かず離れずひしめき合う、〝世界の縮図〟のような厨房の様子が、全編ほぼモノクロームでスタイリッシュに描かれる。
監督・脚本を務めたのは、「コップ・ムービー」(21年)などでベルリン国際映画祭常連のアロンソ・ルイスパラシオス。本作は第74回ベルリン国際映画祭でコンペティション部門に出品された。主人公のメキシコ移民の料理人のひとりであるペドロを演じるのは「コップ・ムービー」や「巣窟の祭典」(24年)などのラウル・ブリオネス。彼の恋人で秘密を抱えるアメリカ人のウェイトレス・ジュリアをハリウッドの実力派・ルーニー・マーラが演じる。
ニューヨークの観光客向け大型レストラン「ザ・グリル」の厨房の、いつも通り目の回るような忙しい朝、店の従業員たち全員に売上金盗難の疑いがかけられる。加えて次々に新しいトラブルが勃発し、料理人やウェイトレスたちのストレスはピークに。カオスと化した厨房での一日は、無事に終わるのだろうか…。
公開日: 2025年06月12日
ラ・コシーナ/厨房
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原題:La Cocina
2024年 /アメリカ、メキシコ /139分 /G
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公式サイト: https://sundae-films.com/la-cocina/
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