倉本聰脚本による日本版〝足ながおじさん〟ともいえる新感覚の任侠映画。義理で兄貴分(池部良)を殺した加納(高倉健)は、兄貴が残した幼い娘に〝ブラジルにいるおじさん〟と名乗って養育費を送り続けていた。そして加納は出所した。娘(池上季実子)は美しい女子高校生に成長していたが、名乗ることはできない。また親分はシャガールに夢中になっており、昔気質の加納は違和感を覚える。変わらないのは兄弟分たち(夏八木勲、田中邦衛、小林稔侍など)。やがて、加納は再びやくざの世界に戻らざるを得なくなる。(追悼特別展「高倉健」図録より)