日本のメガネの95%を生産している福井県。その始まりは、豪雪地帯ゆえに冬に収入が途絶える福井の村を助けようと、明治時代に増永五左衛門と幸八の兄弟がメガネ生産に取り組んだことによる。その史実をもとに、メガネに渾身の技術と魂を吹き込む職人と、彼らを支える家族を描く愛と希望の物語。原作は、藤岡陽子の同名小説。「おしょりん」とは、田畑を覆う雪が硬く凍った状態を指す福井の言葉。おしょりんになれば、回り道しなくとも好きなところへまっすぐ行けることから、夢に向かって自由に突き進もうという思いが込められている。監督は、「えちてつ物語〜わたし、故郷に帰ってきました。~」(2018年)の児玉宣久。福井出身のプロデューサー、河合広栄とは「えちてつ物語」以来のタッグで、再び福井を舞台にメガホンをとった。
時は明治37年、福井県足羽郡麻生津村(現・福井市麻生津)の庄屋の長男、増永五左衛門(小泉孝太郎)と結婚したむめ(北乃きい)は、育児と家事で忙しい日々を送っていた。ある日、大阪で働く五左衛門の弟の幸八(森崎ウィン)が帰郷し、村をあげてメガネ製造に取り組まないかと持ち掛ける。当時、ほとんど知られていないメガネだったが、活字文化が普及すれば、必ずや必需品になる。成功すれば、冬は収穫のない農家の人々の暮らしを助けることができるというのだ。五左衛門は初めは反対していたが、視力の弱い子どもがメガネによって見えるようになったと、喜ぶ姿を見て挑戦することを決める。だが、苦労の末に仕上げたメガネが「売り物にならない」と卸問屋に突き返され、資金難から銀行の融資を受けるも厳しく返済を迫られ、兄弟は幾度となく挫折する。そんな2人を支え続けたのが、決して諦めない強い心を持つむめだった。彼女に励まされた兄弟と職人たちは、〝最後の賭け〟に打って出る。
2023年10月20日(金)〜福井先行公開。
©️「おしょりん」制作委員会
公開日: 2023年11月02日
おしょりん
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2023年 /日本 /120分 /G
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公式サイト: https://movies.kadokawa.co.jp/oshorin/
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