つだ かんじ
1965年8月26日 生まれ
昨年より全国公開された「さよなら ほやマン」が、明日3月2日(土)よりポレポレ東中野にて再上映される。 宮城県石巻のとある離島。漁師の兄弟と、東京からやってきたワケあり漫画家の突然始まった共同生活が、やがて彼らの止まっていた時間を動かしていくという物語。この作品で主演のアフロが第78回毎日映画コンクールでスポニチグランプリ新人賞を授賞した。 毎日12:10より1回上映、上映修了後14:00よりトークショーを開催。 ゲストは以下の通り。 【トークゲスト】 3/2(土) 黒崎煌代(出演)+庄司輝秋監督 3/3(日) 松金よね子(出演)+庄司監督 3/4(月) 黒崎煌代(出演)+山上徹二郎 ...
ひとシネマ編集部
2024.3.01
太平洋戦争後の29年間、フィリピンのジャングルにとどまった小野田寛郎を、フランスのアルチュール・アラリ監督が映画化した。史実を正確に再現することには重きを置かず、むしろ異様な緊張状態に長期間置かれた人間の成れの果てを見ようとする。 航空兵になる夢が挫折した小野田は、陸軍中野学校でゲリラ戦を教え込まれ、やがてフィリピン・ルバング島に赴任する。「玉砕は許さない、生き延びて情報を送れ」と命じられたものの敗色濃厚な戦況で兵士の士気は低く、小野田は体力と気力の残っていた3人と共にジャングルに潜伏する。 アラリ監督はキャラクターを掘り下げて物語を語るより、時間の積み重ねを見せようとする。小野田がスパイ...
2021.10.07
三宅唱監督や山戸結希監督、岸善幸監督作品で助監督を務めてきた岩屋拓郎による劇場監督デビュー作。自らが手がけたオリジナルストーリーで容赦ないバイオレンスを描き出す。ダブル主演は、「渇き」(2014年)や「逆光の頃」(17年)、「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 運命/決戦」(23年)などで共演し、公私にわたって交流のある清水尋也と高杉真宙。さらに、「サマーフィルムにのって」(20年)や「まなみ100%」(23年)、「チャチャ」(24年)などの伊藤万理華がヒロインを演じる。 かつて青春時代を共に過ごした富井(清水尋也)と金森(高杉真宙)は、〝ある事件〟をきっかけにバラバラの人生を歩み始める...
〝死別の悲しみとどう向き合うか〟をテーマに、恋人を亡くした青年が深い悲しみの中にある人に寄り添う「グリーフケア」と出会い、自らと向き合っていく姿を描いたヒューマンドラマ。監督・脚本は、VRアニメーション「Thank you for sharing your world」で第79回ベネチア国際映画祭「VENICE IMMERSIVE」部門に正式招待を果たしたほか、「光を追いかけて」(2021年)や「ALIVEHOON アライブフーン」(22年)の脚本を担当した作道雄。主演は、「首」(23年)や「一月の声に歓びを刻め」(24年)、「シサㇺ」(24年)など話題作に出演し、本作が初の単独主演となる坂東...
人気任侠ドラマシリーズ「日本統一」にダブル主演した山口祥行と、人種的偏見や貧困のなかで、家族が力を合わせる姿を描いた人情ドラマ「北風アウトサイダー」(2022年)で映画監督デビューした崔哲浩、阪元裕吾監督の「ある用務員」(21年)で殺し屋の主人公を演じた福士誠治がトリプル主演する本作は、25年前の父の暗殺事件以来離れ離れでも固い絆で繋がっている三兄弟を演じるヒューマンバイオレンス作品。タイトルの「ぴっぱらん!!」とは、韓国語で「ぴっ」は「血」と「雨」、「ぱらん」は「風」のことで、「 血と雨と風」を意味する。 25年前、全国に名を轟かせる百鬼(なぎり)三兄弟の父・百鬼剛(金守珍)が何者かに暗...
ニューヨークの精神科が発端で、夢の中で眉がつながった奇妙な風貌の男と出会ったという証言が世界各地で多発した有名なネットミームに独自の解釈を加えて映像化したスリラー。監督・脚本には医学系研究分野出身という経歴を持ち、人間の二面性にフォーカスしたの心理サスペンス「幸福な囚人」(2018年)や現代社会に潜むカルト洗脳やメディア洗脳、マルチ商法企業の闇などを取り上げた「わたしの魔境」(23年)などを手掛けた天野友二朗。主演は、NHK 連続テレビ小説「べっぴんさん」の出口亜梨沙。仮面ライダーWで人気を博し、その後もドラマ、映画、舞台で幅広く活躍する木ノ本嶺浩がタブル主演を務める。 ある田舎町で連続変死...
美術部に所属する高校生の清瀬櫻(吉名莉瑠)は、東京の美大への進学希望を母の環(一青窈)に伝えるが、娘が家から出て行くなんて思ってもいない母は、とりあってもくれない。娘の意思を大事にしたいと考える父・紘一(津田寛治)とは対照的に、一方的に自分の想いを通そうとする環は、遂には紘一を家から追い出してしまう。ぎこちない母子生活が始まるが、突然環が職場で倒れる。櫻は、誰にも言えない気持ちを匿名でSNSに書き込み始め、偶然出会った野良猫に癒しを求めるが、次第に追い詰められていく。 Ⓒ2024 「猫と私と、もう1人のネコ」製作委員会
中島弘象による実体験を記した「フィリピンパブ嬢の社会学」(新潮新書)を原作に、「能登の花ヨメ」(2008年)や「ママ、ごはんまだ?」(16年)を手がけた白羽弥仁がメガホンをとり映画化。フィリピンパブの裏側で未だ行われている偽装結婚と、多文化共生のあり方を描いた。主人公の中島翔太役は、「奇跡」(11年)で、弟の前田旺志郎とダブル主演した前田航基。全国オーディションで選ばれた映画初出演となる一宮レイゼルが、ヒロインのフィリピンパブ嬢ミカを演じる。さらに、近藤芳正や勝野洋、田中美里、仁科貴、津田寛治、飯島珠奈に加え、「PLAN 75」(22年)のステファニー・アリアンが共演する。 大学でフィリピン...
「KATACHI」(2022年)で長編デビューした堂野アキノリ監督2作目。実在するシェアハウス、オークハウスを舞台に、パラレルワールドを題材としたラブストーリー。主人公が、〝もしもの世界〟で今までそばにあったはずの大切なものに気づいていく。 40歳の鷹介(平松賢人)は、仲間と海へ遊びに行った28歳の時の夢を見る。夢の中で仲間と乗り合わせた車は、右の駐車場に停めたため、現実では出会った若かりし頃の妻、水帆(高田夏帆)との出会いが起きなかった。またある日、同じ夢を見るが、夢から覚めることができず、パラレルワールドに入り込んでしまう。左ではなく、右の駐車場に停めてしまったという、たった一つの選択の...
出演者がマネキンの短編ドラマ「オー!マイキー」や、山田孝之の七変化が話題を集めた映画「ミロクローゼ」(2011年)など、イマジネーション豊かな世界を創造し続ける石橋義正の約10年ぶりの新作。車の事故で人里離れた森に迷い込み、物言わぬ6人の女に監禁されてしまう2人の男。過去と現在を繋ぐ奇縁、巨大企業が絡む陰謀、謎が謎を呼ぶサスペンス。そして、最後に壮大な〝真実〟が明らかになる。 男の1人、フォトグラファーの萱島に扮したのは「シン・ゴジラ」(16年)や「狐狼の血」(18年)、Netflixシリーズ「THE DAYS」などに出演し、2023年も4本の出演作が公開される竹野内豊。もう1人の男、直情的...
舞台プロデュースを主に活動してきた土屋士率いる「演劇集団ツチプロ」とCMプロデューサー早川玲奈がタッグを組んだ2本目の映画作品。監督を務めたのは、俳優として活動する傍ら、自身でも定期的に自主映画を製作してきた橋本一郎。本作が 初監督・主演作品となる。 ある夏の日。都内の古いアパートの一室で、住民の女性を強姦し、その父親を撲殺するという凄惨な事件が起きる。刑事の赤井一郎は、重要参考人である被害女性・望月澪の監視任務にあたっていると、上司の来栖がやってくる。来栖は、容疑者に警察庁関係者が浮上したことで、事件が揉み消されるのではないかとの焦りを赤井へぶつける。望月澪から証言を引き出せと命令された赤...
日本のメガネの95%を生産している福井県。その始まりは、豪雪地帯ゆえに冬に収入が途絶える福井の村を助けようと、明治時代に増永五左衛門と幸八の兄弟がメガネ生産に取り組んだことによる。その史実をもとに、メガネに渾身の技術と魂を吹き込む職人と、彼らを支える家族を描く愛と希望の物語。原作は、藤岡陽子の同名小説。「おしょりん」とは、田畑を覆う雪が硬く凍った状態を指す福井の言葉。おしょりんになれば、回り道しなくとも好きなところへまっすぐ行けることから、夢に向かって自由に突き進もうという思いが込められている。監督は、「えちてつ物語〜わたし、故郷に帰ってきました。~」(2018年)の児玉宣久。福井出身のプロデ...
宮城県石巻のとある離島。漁師の兄弟と、東京からやってきたワケあり漫画家の突然始まった共同生活は、やがて彼らの止まっていた時間を動かしていく。 今年結成15周年を迎える、アコースティックギターとMCの二人組バンドMOROHAのMCアフロが映画初主演。両親を亡くし、弟と懸命に生きてきた漁師のアキラ役を熱演する。監督を務めたのは本作が長編デビューとなる庄司輝秋。短編「んで、全部、海さ流した。」(2013年)以来の監督作で、前作に続き自身の故郷である石巻を舞台に、笑って泣ける〝家族の再生〟物語を描き出した。 ©2023 SIGLO/OFFICE SHIROUS/Rooftop/LONGRIDE
TikTokで〝泣ける〟と、10代を中心に人気を博し、シリーズ累計発行部数50万部の汐見夏衛による「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」(スターツ出版文庫)を福原遥、水上恒司のダブル主演で映画化。監督は、CMディレクターとし長く活躍し、長編映画は2作目となる成田洋一。 親や学校、すべてにイライラして不満ばかりの女子高生・百合(福原遥)は、母親と進路をめぐってぶつかり、家出して近所の防空壕跡に逃げ込むが、朝、目を覚ますとそこは1945年、戦時中の日本だった。偶然通りかかった彰(水上恒司)に助けられ、彼の誠実さや優しさに惹かれていく百合だったが、彰は特攻隊員で、程なく戦地に飛ぶ運命だった。 ...
天下統一を目指す織田信長(加瀬亮)に、家臣荒木村重(遠藤憲一)が反旗を翻した。激怒した信長は、明智光秀(西島秀俊)、羽柴秀吉(ビートたけし)ら配下に村重の首を取るよう命じ、働き次第で跡目に指名すると宣言した。光秀は村重を捕らえるが、2人は男色関係にあり、ひそかにかくまうことになる。一方、成り上がりを目指す貧農の茂助(中村獅童)は秀吉軍に加わり、なりふり構わず出世の道を求めた。本能寺の変の背景を北野武流解釈で描いた時代劇。 ⓒ2023 KADOKAWA ⓒT.N GON Co.,Ltd.
短編「片袖の魚」(2021年)の東海林毅監督が、レインボー・リール東京グランプリをはじめ国内外の映画祭で10冠を獲得した自身の短編「老ナルキソス」(2017年)を長編作品化した本作。「ゲイ」という呼び名もまだ一般的ではない時代から社会の方隅で生きてきた老絵本作家と、性的マイノリティが可視化されたLGBT世代のウリセンボーイ。パートナーシップ制度は〝ある〟が同性婚は〝ない〟中で、世代も考え方も違う二人の関係の中から同性愛者たちの過去と未来の「家族」にまつわる葛藤を描いた。主演は、マーティン・スコセッシ監督の「沈黙-サイレンス-」(2016年)や 五十嵐匠監督の「島守の塔」(2022年)などで幅広...
監督は「⻄成ゴローの四億円」(2022年)などの監督作品に加え、俳優・脚本家としても活躍する上西雄大。主演は、芸歴61年を迎えた松原智恵子が「⻄成ゴローの四億円」に続いて上⻄作品に出演する。本作は、ミラノ国際映画祭 2021」にて、外国語映画最優秀男優賞(柴⼭勝也)、外国語映画最優秀作品賞を受賞。さらに、マドリード国際映画祭(Madrid IFF2022)で、最優秀賞と主演⼥優賞(松原智恵⼦)を受賞した。 バブル経済の破綻のあおりを受けて碧海貴吉は失意のうちに宮古島にやって来る。自ら命を断とうとしたその時、亡くなった⽗・勘吉が現れ貴吉を叱咤する。「あの丘に⼩さなホテルを作れ。そしてその裏の砂...
監督は、「恋は光」(2022年)などの映画作品で助監督を務め、本作が長編デビュー作となる中田博之。原作は、「きらきらひかる」「モリのアサガオ」の作者、郷田マモラの同名コミック。中田監督が自身の体験や感情を重ねて初長編作品の原作として選び企画した。主演は、「オールドファッションカップケーキ」(2022年)出演の武田航平。娘ひなは、ドラマ「イチケイのカラス」で注目された佐藤恋和。さらに、妻・小百合を安藤聖が演じるほか、寺脇康文、松下由樹、津田寛治、柚希礼音ら実力派俳優陣が、親子を支えていく人々を演じる。主題歌は、青木カレンが歌う「この小さな手」。 イラストレーターの和真(武田航平)は、妻の小百合...
歴史修正主義者から歴史を守るため、刀剣男士たちが〝本能寺の変〟で織田信長や羽柴秀吉ら戦国武将と絡み、衝撃の結末を描いた前作「映画刀剣乱舞-継承-」(2019年)から4年。舞台を現代に移した本作。 西暦995年、藤原道長と安倍晴明の密談により、大江山に住まう鬼・酒呑童子の討伐を命じられた源頼光たちは、歴史修正主義者が放った時間遡行軍に行く手を阻まれる。三日月宗近ら歴史を守るべく戦う刀剣男士たちが窮地を救うが、山姥切国広は、酒呑童子の最期の呪いを受け、姿を消してしまう。 西暦2012年東京。下校途中の琴音の前に一振りの太刀が現れる。導かれるままに口にした名は「三日月宗近」。一方、日本各都市では市...
宮松は端役専門のエキストラ俳優。来る日も来る日も、名もなき登場人物を生真面目に演じ、斬られ、射られ、撃たれ、画面の端に消えていく。真面目に殺され続ける宮松の生活は、派手さはないけれども慎ましく静かな日々。そんな宮松だが、実は彼には過去の記憶がなかった。 ある日、宮松の元へある男が訪ねてくる……。 ©2022「宮松と山下」製作委員会