本作は、東日本大震災の地震と津波、そして原発事故の深い傷跡が3年経っても残る福島で生きるある家族の姿を描く。監督は、「ダラダラ」(2021年)で長編映画デビューした山城達郎。「ダラダラ」でもタッグを組んだ竹浪春花の脚本を気に入り、長年温めていた企画が、日本芸術文化振興会の若手映画監督支援に選出されたことをきっかけに実現した。
福島のある小さな村に住む心平は、天文台で働く妹と、兼業農家の父を手伝いながら暮らしていたが3年前に起きた原発事故によって農業が出来なくなり、職を転々としたが今は無職である。父親の一平は、そんな心平に軽度の知的障害があることに向き合えないでいる。小遣いをやるだけで、息子の未来のことを諦めている一平は、不本意な自分自身のことも酒でごまかしていた。妹のいちごは、そんな呑んだくれの父と、働かない兄のために家事をする日々にウンザリしている。自分を産んですぐに家を出ていってしまったという母のことも、「私たちは捨てられたのだ」と、全部を恨んでいる。そして、近所の住民から、「心平が避難中の家々で空き巣をしているらしい」と、聞いたいちごと一平は、心平を追いかけてある場所へとたどり着く。そこで見たものは、思いがけない光景だった。
©冒険王/山城達郎
公開日: 2024年08月16日
心平、
予告編を見る:
監督 :
出演 :
プロデューサー :
脚本 :
音楽 :
撮影 :
照明 :
録音 :
編集 :
衣装 :
2023年 /日本 /105分 /G
配給 :
公式サイト: https://shinpei.jp/
新着記事
黒澤明の大傑作「七人の侍」は、海外で今、どう見られているのか。メルボルン鑑賞リポート
フェイクニュースと陰謀論を疑似体験「エンタメ通してワクチンに」「フィクショナル」
自分の過去が暴かれるかもしれない恐怖を描くスリラー「ディスクレーマー 夏の沈黙」
高倉健没後10年「緋牡丹博徒 二代目襲名」をZ世代ライターが見た「強烈なインパクトを残す主役級の『瞳』」