2000年春、国旗国歌法成立直後に、卒業式で起立斉唱しなかった16歳の少年の壮絶な青春を描いた社会派青春映画。本作は、1999年にクランクインし、2007年に仮編集版の未完成ながら、ドイツとスペインの映画祭で正式上映されるなど、海外で高く評価されていたが、クランクインから実に25年が経過した24年、追加シーンを加え3時間の大作となって完成した。
メガホンをとったのは、長年CMディレクターとして活躍し、専門学校で数多くの若手育成にも尽力してきた旦雄二。72歳にしてついに劇場用長編映画デビューとなった。主人公の少年を演じたのは、若き日の小林且弥。後に「凶悪」(13年)や「あゝ、荒野」(17年)など、多くの作品で演技派として活躍する小林の映画デビュー作である。少年をめぐる2人の少女を「二ライカナイからの手紙」(05年)や「血を吸う宇宙」(01年)の中村愛美と、「プラトニック・セックス」(01年)や「偶然にも最悪な少年」(03年)の留奥麻依子。さらに、少年たちに対峙する大人たちの1人として筒井真理子や故・織本順吉、そして俳優としても活躍した映画監督の故・鈴木清順など、多彩な俳優陣が共演している。
家庭や学校になじめない16歳の高校生・ジュン(小林且弥)が心を許していたのは、カリスマシンガーMyu(留奥麻依子)のラジオだけだった。そんなジュンが、国旗国歌法成立直後の卒業式で、たまたま起立斉唱しなかったことが政治行動と決めつけられ、孤独な日常が思ってもいない方向へ動き始める。さらに、父親に売春を強要されている、のぞみ(中村愛美)との出会いがジュンを大きく突き動かす。崩壊していく両親、権力を振りかざす教師、左翼学生、右翼団体、暴力団、そして第二次世界大戦をいまだ生き続ける要介護の祖父。やがて、様々な人に翻弄されたジュンは暴走し、Myuのライブの日にある計画を実行することを決意する。
公開日: 2025年03月28日
少年
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2024年 /日本 /180分
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公式サイト: https://shonen.yujidan.com/
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