坂本龍一がソロアルバム「音楽図鑑」の制作に着手したばかりのころの1984年5月の東京で、わずか1週間という短い期間で撮影されたドキュメンタリー。スタジオでのレコーディング風景やインタビューで構成され、当時30 代だった坂本が自身の生い立ちや価値観、音楽哲学、現代文化について語る姿が収められている。もともと、フランスのテレビ放送のためにINA(フランス国立視聴覚研究所)によって制作された本作の監督は、ジェリー・ルイスやシャンタル・アケルマンのポートレート撮影から、アンディ・ウォーホルやポール・シュレイダーの「三島由紀夫の四季」(1985年)の撮影現場でのスチール撮影などを行なっていた、ニューヨーク⽣まれのマルチメディア・アーティストであるエリザベス・レナード。「ラストエンペラー」(88年)の劇伴制作に取り組む貴重な様子も見られるほか、坂本が音楽を担当し準主演した大島渚監督「戦場のメリークリスマス」(83年)やYMOの解散コンサートやプロモーションビデオからの映像も引用されている。
⽇本では、1985年6⽉9⽇に第1回東京国際映画祭で上映されたのみで、長らく幻のフィルムとなっていたが、倉庫に眠っていた16㍉フィルムが掘り起こされ、修復を経てデジタル化が実現した。
公開:2026年
Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto 4Kレストア版
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1984年 /フランス、日本 /62分
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